テーマ : 医療・健康

特許切れ先発薬、患者負担増へ 後発品との差額、保険外に

 厚生労働省は、特許が切れた先発医薬品を使う患者の負担額を増やす方針を固めた。安価な後発品との差額の一部を医療保険の適用対象から外して患者の負担とする。後発品への移行を促し、高齢化で増大する医療費を抑制する狙い。関係者が8日、明らかにした。

特許切れ薬の窓口負担増のイメージ
特許切れ薬の窓口負担増のイメージ

 9日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)部会で提示して議論を進める。負担増の影響を受けやすい高齢者や低所得者への対応などが論点となりそうだ。
 薬代は現在、特許切れ薬か後発品かの別を問わず患者が年齢などに応じて原則1~3割を窓口で支払い、残りは公的医療保険から給付している。
 窓口負担が3割の人は例えば特許切れ薬が200円の場合、窓口で60円を支払っている。厚労省案では100円の後発品がある場合、差額100円の一部は患者の全額負担とし、残額の3割も患者が支払う。
 医療費のうち、薬にかかっている費用は年10兆4千億円で、うち特許切れ薬は1兆9千億円に上る。特許切れ薬の患者負担を増やし、より安価な後発品への利用が増えれば、医療費の増大と、国民や企業が支払う保険料の上昇を抑えられる。
 医療費に投入している公費も減るため、厚労省はその一部を使って革新的な医薬品の開発を後押ししたい考え。

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