テーマ : 医療・健康

エコノミー症候群無料検診 新潟・中越地震被災地で

 2004年の新潟県中越地震で危険性が注目された「エコノミークラス症候群」を研究してきた新潟大大学院特任教授の榛沢和彦医師(60)が12日、被災地の同県小千谷市で無料検診を行った。終了後、榛沢医師は「新しく血栓ができた人も複数いた」として、今後も継続して調べる必要があると強調した。

「エコノミークラス症候群」の原因となる血栓がないか調べる無料検診=12日午後、新潟県小千谷市
「エコノミークラス症候群」の原因となる血栓がないか調べる無料検診=12日午後、新潟県小千谷市

 同症候群は、狭いスペースで飲食せずに長時間同じ姿勢でいたために、手足の静脈に血栓ができる病気。車中泊や避難所生活が続くと発症が懸念される。血栓が肺などに移動して血管を詰まらせ、死亡する恐れもある。
 同日は約290人が検診を受けた。中越地震で被災し、車中泊を5日間したという80代女性は、以前血栓が見つかり服薬で治ったのに、今回再び脚に血栓が見つかったという。「1回消えたのに、また出てきた。何でだろう」と不安そうな表情を浮かべた。
 検診は04年から毎年実施。被災者の健康を確認すると同時に、同症候群が長期にわたってどのような影響を及ぼすのかを分析し、避難所の環境改善や健康被害の予防に生かす狙いがある。
 会場費や医療機器レンタル代は、これまでは榛沢医師らが対面形式のシンポジウムで寄付や広告を募って捻出していたが、新型コロナウイルス禍で企業からの寄付が減り、資金繰りが厳しい状況にあるという。現在、クラウドファンディング(CF)を実施中。CFサイト「academist」で12月21日まで募る。

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