テーマ : 医療・健康

がん検診、絞って受診提案 ウェブ審査のシステム開発

 三菱商事の子会社で、データを活用した健康支援事業を担うホワイトヘルスケア(東京)が、必要性の高いがん検診に絞って受診を勧めるシステムを開発した。5分程度のウェブアンケートに答えるだけで、検診の項目や頻度を自動で提示する。不要な検診で誤って陽性と判定されるなどのリスクや、過剰な診断や治療にかかる医療費を抑える狙いだ。

がん検診の項目と頻度の例
がん検診の項目と頻度の例

 一人一人に合ったがん検診を提案するサービスは国内初という。現在は東京海上日動あんしん生命の契約者限定だが、来年1月にも企業や行政、健康保険組合に提供し、本格展開する。5年以内に1千万人の利用を目指す。
 ウェブアンケートは年齢や性別のほか、喫煙や飲酒の頻度、家族や親類のがん罹患歴などを質問。医学会などの診療ガイドラインに沿って構築したプログラムが回答を解析する。胃がんや子宮頸がんなど九つのがんのリスクを人工知能(AI)を使わずに予測し、今後15年間に受診が必要な検査をピックアップする。
 例えば、41歳の男性で胃がん発症の要因の一つであるピロリ菌の感染がなければ、胃カメラ検査は50歳から1年おきに受診すれば問題ないが、喫煙していれば胸部エックス線を毎年検査する必要があるなどと提案する。
 がんは早期発見が重要な一方、過剰な治療で精神的、経済的な負担を感じるケースが指摘される。ホワイトヘルスケアの担当者は「情報が氾濫する中、システムを利用して適切な検査を受けてほしい」と話す。

いい茶0

医療・健康の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞