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【2023年 十大ニュース 静岡県内】袴田さんの再審始まる/清水立体工事現場で橋桁落下

 静岡新聞社は県内の今年の十大ニュースを選んだ。1位は袴田巌さん(87)の再審開始。2位は静岡市清水区で発生した国道1号静清バイパスの立体化工事現場での橋桁落下事故。3位に静岡、浜松両政令市長選で新市長誕生、が入った。 photo03
①袴田巌さんの再審始まる photo03 再審開始の決定を受けて笑顔を見せる袴田ひで子さん(右手前)=3月13日、東京・霞が関   photo03 ドライブを終え帰宅する袴田巌さん。散歩中に再審開始が認められたが、拘禁症状がある袴田さんの体調に配慮し、決定内容は伝えられなかった=3月13日、浜松市中区
 現在の静岡市清水区で1966年、一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(87)について東京高裁は3月13日、裁判のやり直し(再審)を認める決定をした。検察側が特別抗告を断念し、死刑囚として5例目となる再審開始が確定。10月27日、静岡地裁で再審公判が始まった。弁護団は無実を訴え、捜査機関による証拠の捏造(ねつぞう)を主張。検察側は有罪立証を維持している。
②清水立体工事現場で橋桁落下、2人死亡 photo03 工事中だった国道1号静清バイパスの橋桁が落下した事故現場=7月6日、静岡市清水区尾羽(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
 2026年春の上り開通を目指していた静岡市清水区尾羽の国道1号静清バイパス「清水立体工事」下りで7月6日未明、工事中の橋桁(重さ約140トン)が落下。作業員ら8人が死傷した。国土交通省静岡国道事務所の事故調査委員会は、橋桁をつっていた仮設部材の枕木の役割を果たす架台を不安定な状態で設置したことなどが原因とした。事故を受け同事務所は、上り開通の遅れを正式発表した。
③政令市に新市長 静岡市 難波氏、浜松市 中野氏  4月の統一地方選で、静岡、浜松両政令市長選は現職の不出馬で新人同士の対決となった。静岡市は元副知事の難波喬司氏(67)、浜松市は元総務省官僚の中野祐介氏(53)がいずれも対立候補に大差をつけて初当選した。静岡市は12年ぶり、浜松市は16年ぶりに新市長誕生となった。両市のトップ交代を受けて、川勝平太知事との3首長会談が9月、2016年以来7年ぶりに開かれた。
④熱海富士が2場所連続で千秋楽まで優勝争い photo03 九州場所千秋楽で琴ノ若に敗れ、天を仰ぎ引き揚げる熱海富士=11月26日、福岡国際センター
 大相撲の平幕熱海富士(21)=熱海市出身、伊勢ケ浜部屋=が2場所続けて県勢初の賜杯に迫った。9月の秋場所は千秋楽で大関貴景勝との優勝決定戦に臨み、11月の九州場所では14日目の結びの一番で、11勝2敗同士の大関霧島と対戦。いずれも敗れて優勝には届かなかったが、2場所連続で敢闘賞を受賞。自己最高位の西前頭筆頭で迎える初場所は優勝に加え、県勢戦後初の三役昇進に期待が高まる。
⑤磐田がJ1復帰、清水は復帰ならず photo03 J1昇格を果たし、サポーターと記念写真に納まるジュビロ磐田の選手=11月12日、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ   photo03 J1昇格プレーオフ決勝で敗退が決まり、肩を落とす清水エスパルスの選手=12月2日、東京都の国立競技場
 サッカーJリーグ1部(J1)から静岡県勢が初めて姿を消して迎えた今季、ジュビロ磐田は最終節で自動昇格圏の2位に浮上し、1年でのJ1復帰を決めた。国際サッカー連盟(FIFA)から今季の補強禁止という処分を受けながら、逆境を乗り越えた。一方、清水エスパルスは最終節で2位から転落すると、J1昇格プレーオフも決勝で敗退。クラブ史上初の2季連続J2が決定した。
⑥プロ野球2軍参入 ハヤテ223  日本野球機構(NPB)のオーナー会議で11月22日、静岡市を拠点とする「ハヤテ223(ふじさん)」の来季からの2軍ウエスタン・リーグへの新規参加が正式に承認された。球団が増えるのは66年ぶり。監督に元近鉄投手の赤堀元之氏(53)=静岡高出=、ゼネラルマネジャー(GM)に元横浜(現DeNA)監督の山下大輔氏(71)=清水東高出=が就任した。
⑦島田生まれ永井紗耶子さん直木賞 静岡県関係41年ぶり  島田市生まれの永井紗耶子さんが時代小説「木挽町(こびきちょう)のあだ討ち」で7月19日、第169回直木賞を受賞した。静岡県関係者の選出は41年ぶり、山本周五郎賞とのダブル受賞は史上3人目。江戸で起きたあだ討ちの真相に迫る物語。軽妙な文体で人生の苦楽を丁寧に描いた。永井さんは物語の題材、歌舞伎への関心の出発点に、島田大祭・帯まつりのおはやしがあると明かした。
⑧静岡県内で記録的大雨 浜松、磐田で計2人死亡  6月2日から3日朝にかけて、台風2号が活発な梅雨前線を伴って県内に記録的な大雨をもたらした。中部、西部で線状降水帯が発生。磐田市では昨年の台風15号に続いて敷地川の堤防が決壊し、県は同市に災害救助法を適用した。各地で浸水害や土砂災害が相次ぎ、同市と浜松市で2人が死亡、1人が軽傷を負った。12月20日時点で、建物被害は県内全域で482棟に上った。
⑨知事不信任案1票足りず否決 給与未返上問題巡り  2021年の参院静岡選挙区補欠選挙でのいわゆる「コシヒカリ発言」を巡って、県議会から辞職勧告を受けた川勝平太知事が自ら表明した給与返上をしていなかったことが県議会6月定例会で問題視された。最終本会議の7月12日、知事報告に虚偽があったとして自民会派が同県議会で半世紀ぶりの知事不信任決議案を提出。同13日未明に及んだ採決は可決にわずか1票届かず、否決された。
⑩「手術せず性別変更」認める家裁浜松支部 全国初  静岡家裁浜松支部は10月11日、性同一性障害のある人が戸籍上の性別を変えるには「生殖能力をなくす手術が必要」と定めた法律規定は憲法違反で無効だとする全国初の判断を示した。申立人の鈴木げんさん(49)=浜松市天竜区=は12月7日、女性から男性への変更が反映された住民票を同市役所で受け取った。鈴木さんは「男として生きてきた。僕にとっては、当たり前のこと」と語った。

上海定期便再開/家康に脚光  十大ニュース以外にも印象に残った出来事が多かった。4月の県議選では川勝平太知事に批判的な勢力が知事不信任案を可決できる51議席に届かず、その後の不信任案否決につながった。6月には沼津市で猫17匹が投棄される事件があり、多頭飼育問題が浮上した。
 7月は都市対抗野球でヤマハが準優勝、全国高校野球選手権静岡大会で浜松開誠館が優勝と浜松勢の活躍が光った。コロナ禍が明け「4年ぶり」という言葉が紙面を数多く飾る中、静岡空港では上海定期便が3年7カ月ぶりに再開した。浜松まつりでは大河ドラマで徳川家康役を務めた俳優松本潤さんの武者行列が行われ、68万人が詰めかけた。
 にぎやかな祭り会場が凍り付く惨劇も。静岡市中心街の夜店市会場に車が突入し3人が負傷したほか、伊豆の国市の秋祭りでは山車が横転し1人が死亡した。

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