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阿茶局ゆかり「万斛庄屋公園」 伝承ちなみ梅林整備へ 浜松市

 浜松市は、徳川家康が側室の阿茶局を預けたとされる旧庄屋「鈴木家屋敷」が残る同市東区中郡町の万斛(まんごく)庄屋公園の整備を進めている。家康が度々訪れて阿茶局と共に梅の花を観賞したという伝承にちなみ、来春には公園内に梅林を造園予定。政治や外交で活躍して多くの側室の中で異彩を放った阿茶局ゆかりの地の認知度向上に、関係者は期待を寄せる。

阿茶局ゆかりの地として知名度向上に期待を寄せる小沢社長(右)、村木理事長(右から2人目)ら関係者=浜松市東区の万斛庄屋公園
阿茶局ゆかりの地として知名度向上に期待を寄せる小沢社長(右)、村木理事長(右から2人目)ら関係者=浜松市東区の万斛庄屋公園
阿茶局の肖像画(雲光院提供)
阿茶局の肖像画(雲光院提供)
阿茶局ゆかりの地として知名度向上に期待を寄せる小沢社長(右)、村木理事長(右から2人目)ら関係者=浜松市東区の万斛庄屋公園
阿茶局の肖像画(雲光院提供)

 市公園課によると、公園は広さ約1万4千平方メートル。浜名用水沿いの園南西区画に紅白の梅十数本を植える。観梅できるのは再来年度以降となる見込み。駐車場増設や広場の芝生整備も行い、来年3月9日にお披露目する。
 家康は万斛村の地名が土地の生産性を意味する「万石」を連想させるとして気に入り、同村庄屋の鈴木家に阿茶局を預け、近くの甘露寺で観梅を楽しんだとされる。鈴木家屋敷は2度の火災に見舞われ、阿茶局が起居したとみられる御殿は現存していない。
 公園内に残る母屋、離れ、弓道場は明治期以降の建造とされる。老朽化で一時は撤去案も浮上したが、地元有志でつくる「NPO法人旧鈴木家跡地活用保存会」(村木正弥理事長)が保存と活用のため活動してきた。
 パークPFI(公募設置管理制度)で管理者となった同区の電気設備工事業「松川電気」(小沢邦比呂社長)が私費を投じ元の部材や建具を生かして改修。ことし4月にはレストラン「鈴松庵(れいしょうあん)」が本格開業し、建物一部は多様な活動の場として市民に貸し出している。
 家康と阿茶局の逢瀬(おうせ)にちなんだ梅林整備を受け、村木理事長は「家康を支えた阿茶局ゆかりの場所をより多くの人に知ってほしい」と、小沢社長は「忘れられかけた地域の歴史をつなぎ、多くの世代が集える場所としたい」と話している。
 (教育文化部・鈴木美晴)

 

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