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静岡県立中央図書館 「葵文庫」など貴重な蔵書紹介動画制作 東アジア文化都市

 静岡県立中央図書館(静岡市駿河区)が2025年に迎える開館100周年を記念し、徳川幕府から引き継いだ「葵文庫」をはじめとする貴重な蔵書や現在までの歴史を紹介する短編動画を制作している。日中韓3カ国が文化交流を図る「東アジア文化都市」事業の一環。21日に同区のグランシップで開く特別講座「『東アジア文化都市2023静岡』貴重書講座スペシャル」でお披露目する。

開館100周年と東アジア文化都市2023に合わせて制作した蔵書や図書館の歴史を紹介する動画=静岡市駿河区の県立中央図書館
開館100周年と東アジア文化都市2023に合わせて制作した蔵書や図書館の歴史を紹介する動画=静岡市駿河区の県立中央図書館

 葵文庫編10分、貴重書編10分、図書館の歴史編5分の3本立て。県民の共有財産でもある同館と蔵書の価値を知ってもらおうと夏から企画を進めた。
 動画では、韮山反射炉造築の参考とされた「熕鉄(こうてつ)全書図」や幕府の一大事業として家庭百科事典をオランダ語から翻訳した「厚生新編(こうせいしんぺん)」、徳川家康の命によって鋳造した銅製活字「駿河版銅活字(するがばんどうかつじ)」を使って印刷された書籍など、日本近代化の歴史や県内の出版文化にとって重要な蔵書を時代背景と共に紹介。歴史編では初代県知事関口隆吉が久能山内に図書館設立を計画していたことなど、1925年の県立葵文庫開館から今日までの歴史を振り返った。
 紹介動画初公開の舞台となる「貴重書講座スペシャル」では、文化審議会文化財部会第1専門調査会の岡部幹彦委員が「欧米への江戸幕府の眼差し 葵文庫の洋書を中心に」と題して講演する。参加無料だが、事前申し込みが必要で定員は先着200人。同図書館のウェブサイトから特設フォームで18日午後5時まで受け付ける。
 (教育文化部・マコーリー碧水)

 葵文庫 県立中央図書館が収蔵する徳川幕府の蔵書コレクション。幕末の洋学研究機関蕃書調所や後身の開成所などの蔵書を含む約3500冊あり、6割を蘭語、仏語、英語などの洋書が占める。幕府から駿河府中藩、静岡学問所、静岡師範学校を経て、徳川家の記念事業として同家や旧幕臣の寄付を受けて1925年に開館した県立葵文庫(現・県立中央図書館)に引き継がれた。

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