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ものづくりの熱意発信へ 11月に静岡で工場博覧会 経営者ら企画

 地域一帯で工場見学や技術体験を一斉に行い、製造業の魅力を発信する「オープンファクトリー」の取り組みが全国で広がりを見せる中、静岡市で初のイベントとして11月17~19日、「ファクハク~静岡工場博覧会」(同実行委員会主催)が市内各所で開かれる。ものづくりへ情熱を燃やす経営者ら有志が準備を進めている。

説明会後に自社工場を案内する山崎かおり代表(左から2人目)=7月上旬、静岡市清水区の山崎製作所
説明会後に自社工場を案内する山崎かおり代表(左から2人目)=7月上旬、静岡市清水区の山崎製作所

 「人と街と工場が出会い、ワクワクする未来を作ろう」。7月初旬、同市清水区の山崎製作所で開かれた参加希望企業対象の説明会で、同社の山崎かおり代表(59)は力強く語った。
 他地域での開催を参考に静岡での開催を知己の企業などに持ちかけたのは昨年5月。背景には製造業界に対する危機感がある。自身は事業継承後、独自ブランドの立ち上げなど社内改革を推進してきた一方、後継者不足や販路確保に苦慮する中小企業の現状を目の当たりにしてきた。かつて徳川家康が駿府に集めた有能な職人に端を発する静岡のものづくりを活性化したい-。強い思いが山崎代表を突き動かしていた。
 開催のメリットは多方面に及ぶ。職人が一般参加者に業務内容を説明し自社商品をPRすることで、仕事の原点に立ち返る意識変革につながったり、参加者のものづくり体験が後継者発掘の機会創出になったりする可能性がある。
 発起人の1人、清水区の伊豆川剛史さん(伊豆川飼料取締役)は「工場で何を作っているか、近隣住民に知ってもらえることが大きい」と地域理解促進を重要視する。3月に7社で行ったプレイベントには130人が来場。「職人の技術力に驚いた」など参加者の感想に手応えを得たという。
 行政も取り組みに賛同する。同市産業振興課の五十嵐大輔工業振興係長は「行政主導で企画すると、業種バランスなどを考慮し、進みづらい部分がある」と民間主導の強みを強調した上で、告知などで支援していく姿勢を示した。
 11月のイベントでは参加企業の工場見学やワークショップ、公共交通機関と連携したバスツアー、物品販売などを計画している。一部のワークショップや交通費を除き、参加無料。
 (社会部・薬袋貴信)
参加企業 募集中
 ファクハク実行委員会は8月末まで参加企業を募っている。参加目標企業数は30社。参加費は1社あたり5000円。販売のみで参加する場合は2000円(いずれも税込み)。参加企業一覧マップや広報チラシ作成費、イベント保険などに充てる。申し込み、問い合わせは山崎製作所<電054(361)0610>へ。

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