テーマ : どうする家康/徳川家康

家康の領国支配 解説 静岡で徳川みらい学会

 徳川みらい学会は14日、本年度の第4回講演会(静岡商工会議所、静岡市共催)を同市葵区の市民文化会館で開いた。静岡大の本多隆成名誉教授が講師を務め、徳川家康が三河、遠江、駿河、甲斐、南信濃の5カ国領有期に進めた領国支配を解説した。

講演する本多名誉教授=静岡市葵区の市民文化会館
講演する本多名誉教授=静岡市葵区の市民文化会館

 本多名誉教授は、甲斐武田家との抗争により落ち着いた領国支配ができなかった家康が、1582年の甲州征伐と本能寺の変以降の混乱を経て駿河国や武田の旧領など5カ国を領有する大大名となり、領国支配が進展したと説明。1589年に実施した領国総検地について「太閤検地と比べても遜色ない内容。総検地によって徳川の領国支配は近世的な態勢へ転換した」と評価した。
 一方、天正期に築かれた駿府城の石垣については、豊臣政権の技術支援の有無を巡って議論がある中で、家康の独自性を評価する立場をとった。織田家が総石垣城郭の安土城を築城した際の石奉行が徳川家家臣となっていたことや、石垣造り専門の工人の存在が家康の書状で確認できることなどを理由に挙げ、「天正期の家康には高石垣を築く技術が備わっていたとみて良いのでは」と述べた。

いい茶0

どうする家康/徳川家康の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞