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自然の中でRCカー 新たな遊び方、愛好者ら満喫 沼津でイベント【しずおかアウトドアファン】

 子どもから大人まで幅広い層に人気がある電動の小型無線操縦車(RCカー)。野外での活動に組み込んで、レースとは違った遊び方をする人たちが増えている。豊かな自然の中で走らせる催し「RCアウトドアフェス」が11月下旬、沼津市の愛鷹運動公園内で開かれ、各地から訪れた愛好者らが持ち込みやレンタルのRCカーで楽しんだ。 photo03 悪路も何のその。RCウオークを楽しむ愛好者ら=11月下旬、沼津市
 RCカーの新たな楽しみ方を提案しようと、大手メーカーのタミヤ(静岡市駿河区)、販売店「BLOCK[ブロック]HEAD[ヘッド] MOTORS[モータース]」などが主催した。会場は森林の中にある複合宿泊施設「インザパーク沼津」の周辺。広場などのスペースを貸し切りにし、来場者が自由に遊べるようにした。
 ただ走らせるだけでなく、みんなで一緒に楽しむ企画も実施した。呼び物の一つ「RCウオーク」は、RCカーを操縦しながら遊歩道のコースを歩く。この場所ならではの楽しみ方で、約30人が主に自前のRCカーで挑戦した。
  photo03 特設のアスレチックサーキットにはジャンプ台も設置され、来場者が走行を楽しんだ
 スタート直後にいきなりの難所。階段状の下り坂だ。「水場や崖下に落ちないように」と、先導するガイド役が注意を促す。参加者は注意しながらゆっくりと進んだ。ほとんどが大きめのタイヤを付けたオフロードタイプ。悪路でも走れる構造になっているが、スピードやステアリングをうまく制御しないと、周囲にぶつかったり、道を外れたりしてしまう。中には段差がある所でひっくり返り、自走できなくなるRCカーもあった。
 ウオークは30分ほど。距離は1キロもないが、森の木立の中を進み、小川に架かる橋を渡る、まさに自然の中のコースだ。「いい所だね」「こんな遊び方もあるのか」。参加者は新鮮な感覚を覚えたようだった。
 会場には、アウトドア用品などの展示販売ブースも設置。自分のペースでイベントを楽しむ人たちも多かった。熱海市の会社経営岩本淳一さん(49)は「悪徳ラジコン商会」を名乗る愛好者仲間で集まった。RV車を模したRCカーなどを持ち寄り、凹凸のある地面の上をのんびりと走らせた。
  photo03 趣向を凝らして作ったRCカーを走らせるグループ
 メンバーは40代を主体とした約10人と家族。もともとキャンプやサーフィンを一緒に楽しむ仲で、子どもの頃になじんだRCカーも共通の趣味に加えた。「一人でやっていても仕方ないと2年くらい前から集まって走らせるようになった」と話す。ボディーは細部まで作り込んであり、来場者の目を引いた。3Dプリンターを使って手がけるメンバーも。岩本さんは「子どもの頃にはできなかったことをしている。自分の好みに合わせ、実車に近いものを再現できるのが楽しい」と魅力を語る。
 親子連れや初心者は、芝生広場に特設したアスレチックサーキットにRCカーを持ち込んで楽しんだ。こちらも、バランスを崩さずに高速でコースを回るにはテクニックが必要で、奥が深い。
 焼津市の会社員向坂吉登さん(45)は次男嘉八ちゃん(5)と来場。RCカーには子どもの頃に触れて以来遠ざかっていたが、数年前に購入して再開した。「キャンプの時に子どもと遊ぶのにちょうどいいと思って。普段は近所で走らせるが、イベントは初めて。こういうサーキットにはジャンプ台もあって楽しい」と笑顔で話した。  広がる楽しみの幅   photo03 イベントで関心を集めるRCカー。人気が再燃している=11月中旬、静岡市駿河区のツインメッセ静岡
 RCカーは、操縦する人が手元の送信機(プロポ)を操作して電波を発信し、動きをコントロールする仕組みだ。電動RCカー国内最大手のタミヤは1970年代に参入した。同社によると、最近は80年代の一大ブーム時に少年少女だった層が「大人の趣味」として再開したり、子どもと一緒に楽しんだりするケースが目立つという。
 自分でキットを組み立てるタイプに加え、近年は完成済みのセットも販売されている。機器類の進化で、以前に比べて多くのRCカーを同時走行させることも可能になるなど、楽しみの幅が広がっている。
 タミヤは静岡市駿河区と掛川市に常設のサーキットコースを持ち、一般の利用も可能だ。愛好者有志が公園などを借りて企画する走行会も各地で開かれている。
 同社営業企画課の前住諭さん(48)は「今回はタミヤとして初めて企画したイベント。アウトドアを楽しむ層にRCカーの魅力を知ってもらいたい」と話す。
(生活報道部・山本淳樹)

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