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不屈 照ノ富士 復活V 大相撲初場所(千秋楽)

 大相撲初場所千秋楽(28日・両国国技館)は、3場所連続休場明けの横綱照ノ富士が13勝2敗で並んだ関脇琴ノ若との優勝決定戦を寄り切りで制し、4場所ぶり9度目の優勝を果たした。琴ノ若は初優勝を逃したが、大関昇進の目安とされる直近3場所合計33勝に到達。昇進が確実となった。

大相撲初場所千秋楽の優勝決定戦で、関脇琴ノ若(右)を寄り切りで破って優勝した横綱照ノ富士=28日、東京都墨田区の両国国技館
大相撲初場所千秋楽の優勝決定戦で、関脇琴ノ若(右)を寄り切りで破って優勝した横綱照ノ富士=28日、東京都墨田区の両国国技館
令和の新大関
令和の新大関
大相撲初場所千秋楽の優勝決定戦で、関脇琴ノ若(右)を寄り切りで破って優勝した横綱照ノ富士=28日、東京都墨田区の両国国技館
令和の新大関

 本割では琴ノ若が先に平幕翔猿を上手投げで下し、結びの一番で照ノ富士が大関霧島を寄り切った。綱とりに挑んだ霧島は11勝4敗に終わった。関脇大栄翔は朝乃山を引き落とし、9勝6敗とした。
 三賞は若元春が殊勲賞を初受賞。敢闘賞は新入幕大の里が11勝4敗で初めて獲得した。琴ノ若は初の技能賞に輝いた。県勢力士はともに敗れ、熱海富士(熱海市出身)は6勝9敗、翠富士(焼津市出身)は5勝10敗で今場所を終えた。
 (共同)
綱の責任 決定戦制す 気迫が源泉 2桁V目前  度重なる故障からの復活劇は、勝利へのすさまじい気迫が源泉にある。照ノ富士は本割で霧島、優勝決定戦で琴ノ若を退け、4場所ぶりの賜杯を抱いた。東の支度部屋の奥に腰を下ろした不屈の横綱は「出場する以上は、全部力を出し切ろうと思っていた」と強い責任感をにじませた。
 本割では霧島を速攻の寄りで圧倒した。琴ノ若との決定戦はもろ差しを許したが、小手に振って右四つ。左を巻き替えて逆に二本差し、体を預けて寄り切った。ホープの初優勝を阻み「力をつけてきた。もっと鍛えて次の番付を目指してほしい」と涼しげに語った。
 この日は三つどもえの決定戦にもつれる可能性もあり「最低3番取るつもりで来た。2番で終わらせて良かった」と率直に話す。本割を終えて大銀杏(おおいちょう)を整え直す間は付け人に右膝や左足裏を入念にほぐさせるなど、体調への不安は尽きない。
 3場所連続休場明けの土俵は徐々に取り口に厳しさが増していった。部屋付きの楯山親方(元幕内誉富士)は「初日は気持ちができていないと話していた。でも土俵に上がると根っからの負けず嫌いだから」と驚き交じりに評した。優勝9回は兄弟子の元横綱日馬富士に並び、目標の2桁回数を目前に捉えた。「これを機に来場所につなげていきたい」。腰痛で弱音を吐いた姿はない。強い横綱が戻ってきた。
 (共同)
琴ノ若 大関昇進確実  大相撲初場所千秋楽の28日、13勝2敗と好成績だった東関脇琴ノ若(26)=本名鎌谷将且、千葉県出身、佐渡ケ嶽部屋=の大関昇進が確実となった。番付編成を担う日本相撲協会審判部が昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、受諾された。これまで理事会で昇進が見送られた例はない。
 琴ノ若は先場所まで関脇で9、11勝を挙げ、直近3場所合計が昇進目安の33勝に到達した。初場所は初の賜杯を逃しながら優勝決定戦へ進む大活躍。正攻法の取り口を高く評価した審判部は取組前に会議を開き、満場一致で昇進に賛成した。父で師匠の佐渡ケ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)は「相撲内容が安定している。大関を通過点と思ってほしい」と期待し、八角理事長は「昨年からの1年で強くなった」と成長ぶりをたたえた。
 31日の春場所(3月10日初日・エディオンアリーナ大阪)番付編成会議と理事会を経て、昇進が正式に決まる。
 (共同)
悔しさ糧に「精進」 初V逃す  持てる力を全てぶつけたが、やはり横綱の壁は厚かった。初賜杯を懸けて優勝決定戦に臨んだ琴ノ若は、またも照ノ富士に屈した。支度部屋ではしばらく口を閉ざした後、「負けは負け。結果が全て」。悔しさを押し殺すように言った。
 本割で翔猿を下した時点で、大関昇進の目安とされる三役での直近3場所の合計33勝に到達。決定戦を待つ間も、集中力を研ぎ澄ませた。「変わらずにいこう」。13日目に完敗した横綱にもろ差しを果たす真っ向勝負で挑んだものの、うまさと圧力は相手が何枚も上。力なく土俵を割った。
 ただ、下を向く必要はない。重い腰と懐の深さを生かした安定感のある取り口は、場所を通じて際立った。綱とりを懸けた霧島を破るなど内容も高く評価され、来場所は晴れて看板力士となることが確実となった。「やるしかない。しっかり稽古をして精進する」。
 (時事)
霧島は出直し 総評  4場所ぶりの優勝を遂げた横綱照ノ富士は3場所連続休場から復活した。腰痛や両膝痛の影響で下半身の粘りは弱くなった。それでも相手の腕を手繰って動きを封じるなど、上半身のパワーとうまさは健在だった。
 7日目までに2敗を喫し、前半戦は手探りだった。だが終盤戦にかけて相撲勘を取り戻すと、新入幕大の里や関脇琴ノ若を圧倒するなど8日目から8連勝。度重なる故障を乗り越えてきた執念で、負けが込めば進退を問う声も上がりかねない窮地を脱した。
 琴ノ若は初優勝に届かなかったが、13勝を挙げて場所後の大関昇進を決めた。はたきに頼らず、今後もさらに正攻法の相撲を磨いて最高位と賜杯を目指してほしい。
 大関陣では綱とりに挑んだ霧島は11勝4敗で出直しとなった。今場所はまわしを十分に引けず、安定感を欠いた。14日目から休場した豊昇龍は大詰めの優勝争いに水を差す格好となった。貴景勝は首の負傷で途中休場し、来場所はかど番だ。
 (共同)
序二段 安青錦V  大相撲初場所千秋楽の28日、序二段はウクライナ出身の安青錦(安治川部屋)が千代大光(大阪府出身、九重部屋)との7戦全勝同士による優勝決定戦を制し、先場所の序ノ口に続いて制した。
 (共同)
照ノ富士は立派  八角理事長(元横綱北勝海)の話 照ノ富士は体調が万全ではない中、一人横綱としてここまでやったのは立派だ。優勝決定戦も厳しい相撲だった。琴ノ若もよくやった。
 (共同)

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