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熱海・伊豆山の大工 被災後の修繕技術つなぐ 台風15号被害の清水区で講習会 支援へ恩返し

 大工の仕事を生かして、伊豆山への支援に恩返しを―。3連休最後の18日、熱海市伊豆山の大工による「洋室の床の剝がし方講習会」が、昨年9月の台風15号で大規模な浸水被害を受けた静岡市清水区鳥坂の民家で開かれた。講習会は地元で被災者らを支援する「みんなの居場所ふらっと」が主催。地域住民らが参加し、被災後の修繕作業に必要な専門技術を学んだ。

床の剥がし方を学ぶ講習会=18日午後、静岡市清水区鳥坂
床の剥がし方を学ぶ講習会=18日午後、静岡市清水区鳥坂


 講師を務めたのは工務店を経営する杉山一さん(43)。伊豆山での土石流発生後、各地のナンバーの車が救援活動に多く駆けつける様子を見て「自分は大工。何かできることがあるんじゃないか」という思いを募らせていた。
 浸水住宅の床剝がし作業は、リフォームをする場合に最初に必要。ボランティアや住民自らがノウハウを学び、実践することで被災時のリフォーム費用を抑えられるメリットがある。杉山さんは、家屋の床張りの構造から工具の使い方、剝がし方のポイントを実演を交え丁寧にレクチャーした。参加したのは、消防士や美容師、主婦などで半数程度は女性。3連休を利用して講習会を受講した人たちは「もしもの時は地域の力になりたい」と声をそろえた。
 杉山さんは災害による被害がないことが第一としつつ、「災害は悪い出来事だが、今日のようなつながりができたことはうれしい」などと話し、「講習会で学んだ技術を持ち帰って、またどこかの場で違う誰かにつなげていってもらえたら」と願っている。
 (清水支局・大村花)

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