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知事、隠蔽否定「差し替えた」 行政文書判読不能問題 職員のミス言及

 熱海市伊豆山で盛り土が崩落し、28人が死亡した土石流を巡り、カラーの行政文書を静岡県職員が白黒化して判読できない状態で開示していた問題で、川勝平太知事は22日の定例記者会見で、静岡新聞社の指摘を受けて県のウェブサイトに掲載した白黒文書をカラーに差し替えたことを理由に「隠蔽(いんぺい)とは言えない」と説明した。開示文書を作成する際に複写機の設定を変更した法務文書課の職員2人のミスで、組織的関与はないとする見解も示した。ただ、県によると、関係職員への聴取は十分にできていない段階という。
 2021年10月に県のサイトに掲載された約400ファイル、約1100ページ分のカラー文書は全て白黒化されていて、写真などが黒くつぶれた文書も一部あった。土石流起点で03年に土砂崩れが発生したり、谷に倒木が集められたりするなどの重要情報が読み取れない状態が今年7月の差し替え完了まで続き、その間、二つの検証委員会が重要情報を検証対象にしないまま報告書をまとめ、訴訟にも影響を与えている。
 会見で川勝知事は「不鮮明なものを出したことはミス」との認識を示した上で「不鮮明になったことに気付き、すぐに差し替えた。これは隠蔽とは言えないと思う」と述べた。
 県は21、22日に複写機の通常設定を白黒・高濃度に変更した職員2人から事情を聴いた。1人は「カラーと白黒の違いはほとんど考えていなかった」、もう1人は「カラーを白黒にしたのは組織で判断したはずだ」などと話したという。関係職員からは今後詳しく事情を聴く方針。

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