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熱海土石流 静岡県の開示文書判読不能問題 知事「隠蔽目的ない」 職員調査は言及避ける

 熱海市伊豆山で盛り土が崩落し28人が死亡した大規模土石流を巡り、県が開示した行政文書の一部が読み取れなくなっていた問題で、川勝平太知事は5日の定例記者会見で、通常設定の複写機を白黒・高濃度の設定に変えて元のカラー文書から白黒の開示文書を作成した法務文書課(現法務課)職員2人の対応について「(職員が)元の文書がカラーと気付かなかっただけで、隠蔽(いんぺい)目的ではなかった」と釈明した。「邪推はしていない」と組織的関与については否定的な見解を示した。
 ただ、関係した職員への事情聴取が不十分ではないかという指摘に対しては論点をずらして答えず、「県の基本方針を共有しているので隠す意図はなかったと確信している」と述べるにとどめた。今後の調査方針への言及も避けた。
 開示作業を担当した職員が設定変更を独断でやったのかという質問には「広い意味で、資料の地番が分かると具合が悪いと思っただろうことは想像が付く。それが分からないようにするためということはあったかもしれない」と説明。
 開示すべき情報が開示されず、検証作業や訴訟に影響を与えていることに関しては「(報道機関の)取材に支障を来したので組織としては大変まずかった。被災者や遺族に大迷惑がかかった」と発言したが、自身の責任には触れなかった。
 県は盛り土付近の開発への対応を記録したカラーの行政文書を白黒化し、一部文書の写真などが黒く塗りつぶされた状態で開示・公表していた。

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