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熱海富士 初優勝あと一歩 決定戦で大関貴景勝に黒星 大相撲秋場所

 大相撲秋場所千秋楽は24日、両国国技館(東京)で開催され、熱海市出身の熱海富士(前頭15枚目)は優勝決定戦で大関貴景勝に敗れ、初優勝はならなかった。

優勝決定戦で熱海富士(手前)をはたき込みで破り、4度目の優勝を果たした貴景勝=両国国技館
優勝決定戦で熱海富士(手前)をはたき込みで破り、4度目の優勝を果たした貴景勝=両国国技館
優勝決定戦で貴景勝(左)にはたき込みで敗れた熱海富士=両国国技館
優勝決定戦で貴景勝(左)にはたき込みで敗れた熱海富士=両国国技館
優勝決定戦で熱海富士(手前)をはたき込みで破り、4度目の優勝を果たした貴景勝=両国国技館
優勝決定戦で貴景勝(左)にはたき込みで敗れた熱海富士=両国国技館

 本割で勝てば優勝が決まっていた熱海富士は、朝乃山に寄り切りで敗れ11勝4敗となり、優勝決定戦に回った。13日目に敗れている貴景勝との決定戦では、立ち合いでの変化に対応しきれず、はたき込まれた。
 今場所は10日目に1敗同士の高安に勝って単独首位に立ち、12、13日目は連敗を喫したが、14日目には阿炎に勝利し、再び単独首位で千秋楽を迎えていた。

 猛稽古で大躍進 「もっと強く」
 勝負は一瞬で決まった。優勝決定戦に臨んだ熱海富士は、大関貴景勝に向かって思い切って踏み込んだ。だが相手の変化に対応できず、土俵に倒れ込んだ。あと一歩まで迫った優勝を逃した21歳は、口を真一文字に結び、無念の表情で花道を引き揚げた。
 低く前へ出る力強い相撲で躍進した今場所。5場所ぶりの幕内で勝ち星を重ね、充実の15日間だった。8勝1敗で首位に並んでいた高安との一戦(10日目)は特に持ち味を発揮。鋭い当たりで踏み込み、強烈な右の突きで押し倒した。元大関に会心の勝利を収め、実力は本物と印象づけた。
 正面からぶつかり、圧力をかける相撲の基礎はアマチュア時代に培った。当時は腰高になる傾向があったが、母校・飛龍高の栗原大介監督(47)は「力が抜けないよう、とにかく低く前へ出ること。3年間口酸っぱく言ってきた」。膝を曲げ、腰から前傾する基本の動きを繰り返した。
 伊勢ケ浜部屋では横綱照ノ富士を筆頭に、高校の先輩である翠富士(焼津市出身)ら多くの実力者に胸を借り猛稽古。荒さがあった相撲は洗練され、伊勢ケ浜親方は「あの体格にしては動ける」と評価する。186センチ、181キロの恵まれた体格にプロの技術が備わり、周囲が驚く成長曲線を描いていった。
 大一番を落とし「稽古が足りない。悔しいなぁ」。ただ、優勝決定戦という憧れの場所に立つことができた。「まだ相撲人生は長いので。もっと強くなりたい」。確かな手応えと敗戦の悔しさを糧に、より強くなって戻ってくるつもりだ。
 (運動部・吉沢光隆)

 熱海富士(本名武井朔太郎=たけい・さくたろう)熱海市出身、伊勢ケ浜部屋。飛龍高から2020年11月場所初土俵。22年11月場所で新入幕。4勝11敗で十両転落したが、23年7月場所で十両優勝し、今場所再入幕を果たした。得意は右四つ、寄り。186センチ、181キロ。21歳。

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