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市町への権限移譲 静岡県点検 不適切処理38件

 静岡県から市町に権限移譲された事務の執行状況について、県が点検したところ、不適切な処理が38件、改善が必要とされる執行体制の不備が1件あった。結果を受けて県は、既存のマニュアルやチェックリストを改善するほか、市町の事務支援の方向性をまとめた「権限移譲方針」を2023年度内にも策定する。
 市町への全移譲事務212法令2851事務のうち、県民の生命、財産に影響の大きい事務を対象に法令やマニュアルにのっとっているか確認した。その結果、不適切とされる処理は、技術的判断を要する5法令12事務(34市町計570件)について1市6町で計13件あった。具体的には、保安林内の形質変更許可の申請受理で5件、宅地造成工事規制区域内の工事許可申請受理4件などで、これらは書類の不備が原因とされた。
 技術的判断を伴わない7法令8事務(31市町計367件)については、不適切な処理が3市3町で計25件あった。
 政令市を除く33市町の10法令48事務については、執行体制も確認した。1自治体で専用水道の立ち入り検査事務に関して、専門職不在による技術不足が分かった。県は出先機関の支援体制を整え、当該自治体と事務返還について協議を始めた。
 今回の点検は、熱海市伊豆山の土石流災害の行政対応を検証した県第三者検証委員会が、県から市町へ権限移譲された事務を巡って「特に土木・建設など技術面での指導監督が必要な事務を、的確に執行できていたか点検が必要」と指摘したことから、県は市町の協力を得て初めて実施した。点検に併せ、市町の要望を聞くとともに、助言を行った。
 今後策定する権限移譲方針では、市町からの事務返還の手続きや専門職不在の場合の支援、相談窓口の整備、職員研修などの支援体制をまとめる。

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