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女優・山本陽子さん死去 静岡県内関係者、驚きと悲しみ

 俳優の山本陽子さんの所属事務所は22日、山本さんの死因は急性心不全だったと発表した。20日、熱海市の自宅に帰宅直後に体調が急変したという。葬儀は親族のみで行い、後日お別れの会を開く予定。
山本陽子さん=2005年6月
 事務所の関係者によると、山本さんは4月に出演を予定していた舞台「そして誰もいなくなった」の稽古の参加に備え、台本と向き合って過ごしていた。亡くなる数時間前まで、いつもと変わらない様子だったという。

 社交的で面倒見良い「あねご肌」
 熱海市をついのすみかとし、長泉町のイベントに出席するなどした女優の山本陽子さんは、静岡県東部と関わりが深い。社交的で面倒見が良い「あねご肌」で慕われていた山本氏の悲報に、地元で親睦があった関係者からは驚きと悲しみの声があがった。
 同市の今宮神社で今月上旬に開いた節分祭で、初の豆まき役を務め、大勢の参拝客に笑顔を振りまいた。神社総代会運営役員の細田泰秀さん(60)は「豆まき役をお願いしたら快く応じてくれた。ついこの間まで元気な様子だったのに」と突然の訃報に驚いた。泉明寺みずほ宮司は「大女優だが決して気取らず、誰にでも気さくに接してくれた。立ち姿の美しさが印象的だった」と振り返った。
長泉町井上靖文学館で作品の朗読をした山本陽子さん(右)と堤直美さん(左)、池田修町長=2023年11月下旬、長泉町
 同町の彫刻家堤直美さん(73)は山本さんと30年超の友人関係で、亡くなる前日に電話をしたという。「ご飯に行く約束をしたばかり。元気ではつらつとした声だったので、まだ信じられない」と言葉に詰まった。堤さんが展覧会を開くたびに足を運んでくれたといい、「姉のような存在。若い時からかわいがってくれた」と惜しんだ。
 山本さんは作家井上靖の作品を演じた縁で昨年11月、町井上靖文学館の50周年記念式典に出席し、作品を読み上げた。大古田英之館長(50)は「朗読の表現力は人を引き込むものだった」と回顧。池田修町長は「もう一度依頼したいと思っていた。大物なのに飾らない、本当にすてきな人だった」としのんだ。

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