テーマ : 熱海市

大自在(3月10日)立ち合い

 「相撲の勝負の8割が決まる」とも言われる立ち合い。両力士が互いの呼吸をはかり、息を合わせて立つ。大相撲では日本相撲協会の審判規則・行司に「両力士が立ち上がってから(行司は)かけ声をなす」とある。
 アマチュアは異なる。競技者規則に「選手双方が同時に両手を土俵に付き静止した後、主審の『ハッケヨイ』のかけ声により立ち合う」と明記される。大相撲は力士が立った後に声をかけるが、アマは声が立ち合いの合図ということか。
 合図はあっても、「待った」などの駆け引きで立ち合いが乱れることがあるという。アマを統括する日本相撲連盟は昨秋の大会で、主審が「手をついて待ったなし」から「ハッケヨイ」の間に、新たな試みとして「引きますよ」のかけ声を加えたそうだ。「位置について」「用意」「ドン(号砲)」で言えば、「用意」の部分だ。正しい立ち合いの徹底に向けた改革だろう。
 きょうから春場所。場所前の新弟子検査では飛龍高の白坂湧人さん(音羽山部屋)ら27人が受検したが、現行制度で最少だった。最多は1992年の160人。卒業期と重なる春場所は志願者が多いというのは昔の話。
 場所前には弟子の暴力問題で宮城野親方(元横綱白鵬)が師匠の立場を外れた。伊勢ケ浜一門の会合では部屋の存続は難しいという意見も出たという。
 繰り返される角界の暴力。旧態依然の体質が、入門希望者の減少に影響してはいないか。熱海市出身の熱海富士(伊勢ケ浜部屋)ら若手の台頭で土俵が活気づく今こそ、大相撲にも変革が必要だ。

いい茶0

熱海市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞