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2005年以前の文書、第三者委員会に未提出 知事、従来発言を修正 熱海土石流検証巡り

 熱海市伊豆山で盛り土が崩落し28人が死亡した土石流の検証を巡り、川勝平太知事は23日の定例記者会見で、土石流起点で起きた「約20年前の土砂崩れ」など2005年以前の行政文書を静岡県の判断で行政対応検証委員会(第三者委員会)の委員に提出していなかったことを明らかにした。逢初(あいぞめ)川と隣接する鳴沢川の分水嶺(れい)に及んだ無許可開発の文書も未提出だった。
 川勝知事はこれまで土地改変に関連する全ての文書を検証委に提出して検証を任せたという趣旨の発言をしてきたが、「盛り土の手続きが始まった06年を起点にした」と提出文書を限定していたと修正した。
 この日の会見で川勝知事は「06年10月から盛り土(の手続き)が始まったので、そこから検証することになった。従って(無許可開発の文書に写真が載っていた)03年の土砂崩れは念頭になかったということで検証されていない」と説明した。05年以前の文書に記されていた無許可開発に関して「今は(当時の担当職員にヒアリングして)調査中」としたが、第三者検証から漏れたのは問題ではないかという記者の指摘に対し、根拠を示さずに「検証委で問題視されることはなかった」と述べた。
 検証委が最終報告書をまとめた昨年5月の記者会見で「資料は全部、もう見せられると思うものは全部見ていただいているはず」と話し、昨年10月にも「包み隠さず有り体にあったことをそのまま検証委に報告し、その検証の在り方は委員に任せた」と説明していた。

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