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諸子沢土砂量73万立方メートル 豪雨で地下水増か 静岡市長説明

 難波喬司静岡市長は12日の定例記者会見で、葵区諸子沢の山間部で8月に発生した大規模な地滑りについて、崩落した土砂量は73・6万立方メートルに及ぶとの推定を明らかにした。2021年7月に熱海市伊豆山で発生した土石流量5・6万立方メートルの約13倍に相当する。

静岡市葵区諸子沢で発生した地滑りについて説明する難波市長=市役所静岡庁舎
静岡市葵区諸子沢で発生した地滑りについて説明する難波市長=市役所静岡庁舎


 静岡県が22年2月に作成したレーザー測量による3次元点群データと、地滑り発生後に作成した同データを比較した。このうち、約61万立方メートルの土砂が崩壊地の下の斜面に堆積し、約12万立方メートルがさらに下って大久保沢や諸子沢川に流出したと推定した。崩壊部分の深さは最大で約50メートルあり、難波市長は「深層崩壊が起きた」との見方を改めて示した。
 原因については、地盤が水に浸食されやすい蛇紋岩で構成されるなど地滑りが発生しやすい地質構造になっていることに加え、22年9月の台風15号、今年6月の台風2号による豪雨で地下水がたまり、8月の降雨で土壌中に水分を貯留できる限界点を超えたと推測した。
 今後、まとまった降雨により、さらに土砂が流出する可能性が否定できないとし、崩落部の監視作業を行いながら市道日向諸子沢線の復旧や諸子沢川の河道掘削などを急ぐと説明した。
 地滑りの発生を防ぐための根本的な対策としては、現地が保安林を含む森林区域のため県に対し、国の「災害関連緊急地滑り防止事業」補助金を活用した事業化を求めるとした。
 (政治部・尾原崇也)

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