テーマ : 熱海市

大相撲 春場所(12日目) 尊富士 初黒星 快進撃止まる 3敗に琴ノ若ら4人

 大相撲春場所12日目(21日・エディオンアリーナ大阪)は、新入幕の尊富士が大関豊昇龍に小手投げで敗れ、初黒星を喫した。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、60年初場所の大鵬に並び最長とした新入幕初日からの連勝は11で止まった。豊昇龍は9勝3敗。
 新大関琴ノ若は、2敗の大の里を小手投げで下し、3敗を守った。尊富士を2差で追う3敗は豊昇龍、琴ノ若、平幕の大の里、豪ノ山の4人。13日目に豊昇龍が豪ノ山と対戦するため、優勝決定は14日目以降となった。
 他の大関陣はかど番の貴景勝が関脇若元春に寄り切られ、7勝5敗。霧島は翠富士(焼津市出身)に屈し9敗となった。小結阿炎は勝ち越した。熱海富士(熱海市出身)も白星を挙げ、翠富士とともに勝ち越しまであと1勝に迫った。十両は水戸龍、大翔鵬、朝紅龍が3敗で首位。

 ◇1敗 尊富士
 ◇3敗 豊昇龍、琴ノ若、大の里、豪ノ山
豊昇 鬼の形相で意地 同学年対決制す  豊昇龍の叔父、元横綱朝青龍は生きのいい若手との一戦が組まれると、鬼気迫る顔つきで言っていた。「壁になるぞ」。この意地と闘争心で挑戦者を退け、史上4位の優勝25度を記録した。
 豊昇龍はこの根性を受け継ぎ、破竹の連勝街道を走る新入幕尊富士を止めた。意地かと聞かれ「ですよね」と即答。「ここで負けたらいけない。楽しみにしていたし、気合が入った」と続けた。大関の責任を果たした。
 鬼の形相で向かい、立ち合いで右張り手を見舞う。相手の出足に土俵際まで後退したが、鮮やかな右小手投げで逆転。同学年の新星に立ちはだかり「やりにくさはなかった。同級生だから負けたくなかった」と語った。
 2005年九州場所3日目、朝青龍は当時19歳の稀勢の里(元横綱)と初対戦。土俵下の控えから鋭い眼光でにらみ続け、小股すくいでひっくり返した。現在の二所ノ関親方は「横綱は一度も目をそらさず、完全にのまれた」と述懐する。豊昇龍も前日から「待ってたぜ」との言葉で決戦に備え「初顔だから負けられない」と偉大な叔父の精神力を体現してみせた。
 残り3日で尊富士とは2差あり、逆転優勝への道は険しい。それでも「まだまだ場所は終わっていない」と気迫十分だ。大関としてどこか影の薄かった豊昇龍が、昇進4場所目でようやく存在感を示した。
尊富、土俵際で小手投げ食う  ちょんまげ姿の24歳、11連勝中だった尊富士が初めて幕内で敗れた。豊昇龍に屈し、支度部屋に戻って取組映像を確認すると「くそー」と悔しそうな表情で繰り返した。
 立ち合いから低く、鋭く当たり攻め込んだが、詰めが甘かった。同じ1999年生まれ、幕内優勝も果たしている大関のうまさ、しぶとさにしてやられた。左差しで前進したところで豪快な小手投げを決められた。土俵下まで落ち「多少何かしてくるかなとは思ったけど…」と唇をかんだ。
 「大鵬超え」はならなかったが優勝32回の大横綱もなし得なかった新入幕での優勝へ、優位な状況は変わらない。「切り替えて、変わらず自分の相撲を取る」。この日は足踏みとなった新鋭は13日目、勝ち越しが懸かる関脇若元春に挑む。

悪い相撲ではない  八角理事長(元横綱北勝海)の話 尊富士は悪い相撲ではない。まだ2差ある。最大のチャンスだから、記録的なことを決めてほしい。豊昇龍は上手を取れず、小手投げしかなかった。3敗で権利はあるが、優勝争いをする中で勝たないと。

白星黒星  ○…湘南乃海(4場所ぶりの勝ち越し)「また明日(13日目)から集中して1番、1番取る」

 ●…明生(4日目に照ノ富士を破るも負け越し)「今場所はいい感触があったので、いけると思っていた。もっと考えた稽古をしていく」

 ○…翠富士(弟弟子の尊富士が初黒星)「情けない。帰ったら厳しい指導をする」

 ●…霧島(9敗)「最後まで逃げずに。負けても応援してくれている方に頑張っている姿を見せたい」

幕下は中大出身 風賢央が6連勝  大相撲春場所12日目の21日、幕下以下は7番中6番を取り終え、幕下は中大出身の風賢央(かぜけんおう)(愛媛県出身、押尾川部屋)がただ一人、6連勝とした。西13枚目で7戦全勝すれば、来場所の新十両昇進が確実。
 三段目は序ノ口、序二段と2場所連続優勝中でウクライナ出身の安青錦(あおにしき)(安治川部屋)と長村(宮崎県出身)、肥後ノ丸(熊本県出身)の木瀬部屋勢が6戦全勝で並んだ。序二段は龍王(秋田県出身、二所ノ関部屋)、3場所連続休場明けの元十両、栃丸(東京都出身、春日野部屋)、多良浪(たらなみ)(長崎県出身、立浪部屋)が勝ちっ放し。序ノ口は千代大牙(大阪府出身、九重部屋)のみが6連勝となった。

 

いい茶0

熱海市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞