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大自在(11月27日)角界のプリンス

 ウルフと言えば元横綱千代の富士。元横綱輪島なら蔵前の星。函南町出身の雑学系ライター、杉村喜光さんの「異名・ニックネーム辞典」(三省堂)で由来を知ると、クスッとしたり、なるほどと感心したり。異名を持つ大相撲力士は多い。
 秋場所に続き九州場所も千秋楽まで優勝争いに絡み、土俵を盛り上げた熱海富士(熱海市出身)。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は青森県出身で、相手の力をかわす体の柔らかさから「津軽なまこ」と呼ばれた。旭富士の師匠だった大島親方(元大関旭国)は食い下がったら離れない「ピラニア」とも、技能賞6回の巧みな取り口に「相撲博士」とも。
 10月の全日本力士選士権。露払いに熱海富士、太刀持ちには翠富士(焼津市出身)を従えて横綱土俵入りを披露した照ノ富士は、報道陣に対し熱海富士にニックネームをつけてくれるよう求めたという。
 売り出し中の21歳は、秋場所から幕内土俵入りでは地元名物の「熱海プリン」の化粧まわしも使用している。カバが描かれた瓶詰めプリンの絵柄は「かわいい」とネットでも評判だ。
 そこで出てきたニックネームの候補が、「角界のプリン」なのだとか。照ノ富士は気に入ったそうで、熱海富士本人も「CMに出たい」とまんざらでもないようだ。そう言えば、似た異名に「角界のプリンス」がある。初代貴ノ花のことだ。細身で均整の取れた体格と甘いマスクで人気があった。
 昭和の名大関とはタイプは違うが、人気実力とも急上昇の熱海富士。「プリンス」を超える成長を見せてくれるか。

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