テーマ : 福祉・介護

発達障害 療育にボクシング 焼津のジムが放課後デイ開設

 ボクシングなどの運動を通じ、発達障害の子どもたちを療育する放課後等デイサービス事業が焼津市内のジムで始まった。元教員のプロボクサー近藤佐知子さん(34)が発案したプログラムを受けながら、子どもたちは感情をコントロールする術や集団生活の適応力を養っていく。

近藤佐知子さん(右)の指導を受けながら、ボクシングのトレーニングをする子ども=19日、焼津市の駿河ボクシングジム
近藤佐知子さん(右)の指導を受けながら、ボクシングのトレーニングをする子ども=19日、焼津市の駿河ボクシングジム

 同市柳新屋の駿河ボクシングジムが7月開設した「子どもスポーツスクールするが」。小1から高2までの15人は一般コースが始まる前の時間を使い、ワンツーやシャドー、ミット打ちなどボクシングのトレーニングのほか、鬼ごっこなどの遊びをしながら過ごす。
 多くの子どもたちは他人との距離感がつかめなかったり、相手の感情を読み取れなかったりすることで、集団生活や学習につまずいた経験を持つ。ボクシングは目と耳を使って瞬時に判断することから「相手との感覚を学ぶことに適している」(近藤さん)という。
 鬼ごっこは子ども同士にあえて摩擦を起こすように、毎回少しだけルールを変える。近藤さんは「なぜ相手は怒ったのか、何が間違っていたのかを身をもって知ることができる」と解説する。
 スクールの教育で重要視しているのが、あいさつと礼節だ。ジムに入ったら、誰にどの順番であいさつするかを決めている。礼儀作法の習慣化は同ジムが実践する取り組みで、試合前の不安や興奮を抑えることができるとする。ジムの鈴木憲会長(50)は「運動と礼儀の両輪で気持ちをコントロールできる力が培われる」と話す。

 

教え子の成長に可能性 元教員、プロボクサー近藤さん

 スクールの事業所長を務める近藤佐知子さんは、特別支援学校や特別支援学級で教えた経験を持つ。駿河ボクシングジムに入った教え子2人がトレーニングを通して成長していく姿から、運動療育の可能性を感じ、スクールを立ち上げた。
 教え子の一人で県中部に住む中学1年の生徒(13)は、2年前に体を引き締めたいと思ってジムの門をたたいた。入った当初は怒りっぽく、どこか落ち着きのない様子が目立ったという。ただ、同じく近藤さんの教え子でプロを目指して奮闘する先輩の姿を見て、少しずつ練習に集中できるようになった。
 現在は当初の様子とは大きく変わり、感情のコントロールができるように成長。スクールにも顔を出している。近藤さんは「継続することで『やればできる』という自己肯定感につながる。成長するための土台作りを支援していきたい」と語る。

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