テーマ : 熱海市

記者コラム「清流」 まちの歩みを追う覚悟

 静岡市の本社から熱海支局に今夏異動して早々、伊豆山の土石流現場に向かった。発生から2年余り。生活再建への取り組みが徐々に進む一方で、地肌むき出しの斜面や壊れた家屋がいまだに残る現状を目の当たりにした。遺族や被災者のことを思うと、心が痛む。
 「熱海」と言えば、静岡県が国内外に誇る温泉観光地だ。土石流現場から少し離れた中心街では、若者や家族連れ、外国人を中心とした旅行客の多さに驚かされた。コロナ禍を乗り越え、活気を取り戻しつつある熱海の底力を感じている。
 本来なら「まちは一つ」のはずだが、同じ熱海市内でも、伊豆山とそのほかの地域とでは“温度差”があると聞いた。真の日常を取り戻すのには、相当の年月を要するに違いない。取材を通じて、まちの歩みを丁寧に追っていきたい。
 (熱海支局・鈴木文之)

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