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起点の土砂撤去、26日完了へ 熱海土石流 警戒区域解除、条件整う

 熱海市伊豆山の大規模土石流の起点で不安定土砂の撤去などを行う静岡県の行政代執行について、県は18日、起点の工事が26日に完了すると発表した。市は被災地で原則立ち入り禁止にしている「警戒区域」を9月1日に解除する予定で、その前提条件としていた現地の安全確保を図る工事が全て完了することになる。

不安定土砂の撤去が完了し、緑化が始まっている土石流の起点部分=8日、熱海市伊豆山(静岡県提供)
不安定土砂の撤去が完了し、緑化が始まっている土石流の起点部分=8日、熱海市伊豆山(静岡県提供)

 起点の不安定土砂の撤去は2月28日に始まった。当初は5月末の完了を目指していたが、天候不良などの影響で、7月初旬までずれ込んだ。その後、掘削した斜面の緑化や湧水が流れる2カ所に排水路を整備する工事を行っていた。県盛土対策課によると、今月8日時点で、斜面で緑化が始まっている様子が確認できたという。
 ただ、不安定土砂を撤去した斜面の上部には、廃棄物が埋まった盛り土が残っている。一部被災者からは撤去を求める声が上がっているが、県は安定性が確保されているため、残置する方針を示している。
 市は9月1日に警戒区域を解除する条件に、不安定土砂の撤去完了と逢初(あいぞめ)川上流部の新砂防ダム完成を示していた。新砂防ダムは3月に完成した。不安定土砂の撤去も完了しているものの、土砂には土壌汚染の基準を上回るフッ素や鉛が含まれているため、千葉県市川市の処理施設に運搬する作業が続いている。行政代執行は汚染土砂の処理も含まれていて、県は遅くとも来年2月までに完了する予定としている。行政代執行の総事業費は11億円と見込まれ、県は起点を含む土地の前所有者に請求する。
 (政治部・豊竹喬)

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