テーマ : 熱海市

共産、比例積み上げ重視 維新、候補擁立見送りか N党はネット発信注力【臨む 各党の思惑㊦】

 「力には力で、というやり方では決して平和をつくれない。政治の一番の仕事は戦争をさせないことではないか」。4日、共産党が静岡市内で開いた演説会。参院選静岡選挙区に党公認で出馬予定の新人鈴木千佳氏(51)が声を張り上げた。登壇した倉林明子党副委員長は「『ウクライナを見ろ』の一言で武力を強める流れは、結果として戦争につながる」と語気を強め、ロシアのウクライナ侵攻を機に国内で高まる防衛費増額や改憲議論に警鐘を鳴らした。
 過去の参院選で党公認候補を擁立してきた共産党。22日公示が予想される参院選に向けても、昨年10月の参院静岡選挙区補欠選挙と衆院選の終了後、間を置かず同11月に鈴木氏の擁立を発表した。
 衆院選では「野党共闘」の旗印の下、県内でも静岡8区で立憲民主党との候補者調整に応じた。共産も「共闘の成果はあった」と手応えは示したが、参院選静岡選挙区は2人区であることを理由に他党と連携する動きはない。山村糸子県委員長は「党の政策を真正面に立てて迷わず走る」と政権批判票の取り込みに注力する。
 近年、県内市町の議員選挙で議席を失うなど、党員の高齢化と組織力低下の課題が顕在化する同党。昨年の衆院選では県内の党比例票は10万票を割り込んだ。鈴木氏が出席する街頭演説には比例代表の党公認候補も並び、比例票の積み上げにも余念がない。
 日本維新の会は4月に静岡、京都の両選挙区で国民民主党との相互推薦を目指し、静岡選挙区では一時、無所属現職の山崎真之輔氏(40)=国民推薦=を推薦する方針が浮上したが、国民党内で異論が出て白紙となった。維新党本部は静岡選挙区について「独自候補擁立をぎりぎりまで探る」とするものの、具体的な動きはみられない。
 相互推薦の話題が出るより先に県内関係者が出馬に意欲を示したが、擁立に至らなかった。県内の維新勢力は党の離合集散の中で顔触れが変わり、県内組織は再構築の途上にある。県総支部は参院選で熱海市在住の歌手中条きよし氏(76)ら比例代表の応援を中心に動くとみられる。
 NHK党はいずれも新人の舟橋夢人氏(56)と堀川圭輔氏(48)を擁立する。県内国政選挙は2019年参院選、20年衆院静岡4区補欠選挙に続き3度目。両氏は選挙期間中、県内に事務所を構えず、有志によるポスター貼りに専念するという。インターネットで情報発信するとみられる。
 このほか、政治団体「参政党」から新人山本貴史氏(52)が出馬を予定している。

いい茶0

熱海市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞