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土砂トラブル、以前も 「盛り土」施工会社 07、12年にも熱海市内で崩落事案

 熱海市伊豆山で発生した土石流で、崩落した盛り土を施工した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)が、熱海市内で土砂にまつわるトラブルを過去に繰り返していたことが9日までに、関係者への取材で分かった。
 市によると、2007年7月、土石流の起点に近い同社所有の山林でのり面が崩れ、伊豆山地区の水供給を担う水道施設を土砂が覆った。市は同社に除去を要請したが、「自然災害」を理由に応じなかったため、最終的に市が撤去した。
 12年5月には、同社が開発していた同市上多賀の宅地開発工事現場で土砂崩落が発生し、近くの墓地や民家敷地に土砂が流入した。同社は土砂撤去や対策を講じないまま、土地を放置。この時も市の費用負担で仮設えん堤を設置した。
 当時、この問題を市議会で取り上げた稲村千尋市議は「乱開発で景観を破壊し、災害の危険を招いた許されない行為。今回の土石流も、会社を清算したから関係ないでは済まされない」と話し、責任の所在を明らかにするよう訴えた。
 今回の土石流の起点付近でも、大量の土砂搬入が今年4月以降も行われていたと複数の住民が証言する。近くに住む佐々木一成さん(74)は「土砂に鉄くずのようなものが明らかに混じっていた。いいかげんな行為で災害を起こした。許せない」と語気を強めた。

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