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「平和 後世に残したい」 熱海市戦没者遺族会長 米山さんが講話

 戦争の悲惨さを知り、恒久平和を後世に伝える「熱海市民平和のつどい」が19日、同市昭和町の起雲閣で開かれた。市戦没者遺族会長の米山勉さん(79)らが講話し、父を戦争で亡くした体験談を交えて平和の尊さを訴えた。

戦争の悲惨さを振り返り、平和の大切さを確認した集会=熱海市の起雲閣
戦争の悲惨さを振り返り、平和の大切さを確認した集会=熱海市の起雲閣

 米山さんの父は、網代地区の定置網漁に従事する船の機関長だった。1944年のインパール作戦に参戦し、戦病死したとされる。米山さんは「母が生前、父の話をよくしてくれた。一緒にお酒を飲みたい、会いたいと感じることが多々あった」と思いをはせた。父の遺書には「子の成長を願う」「親戚、近所との付き合いを怠るな」と記されていたという。
 米山さんは網代地区の遺族会役員を経て、2012年から市の遺族会長を務めている。地元神社の慰霊塔前に設置した「平和への道標」を紹介し、「戦争はやってはいけない。戦争を知らない世代が増えてきた。平和を後世に残したい」と力を込めた。
 同つどいは、憲法9条を守る熱海市民の会(小松善雄代表)が主催し、市民ら25人が参加した。郷土史研究家の加藤好一さんは、インパール作戦の傷病兵を後方で手当てした日赤第486救護班(静岡班)に所属していた熱海市出身者の手記などを解説した。
 (熱海支局・鈴木文之)

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