テーマ : お茶・茶況

全国茶品評会「大臣賞」 深蒸し煎茶の部に山東茶業組合(掛川)、普通煎茶4キロの部に小沢晃さん(静岡)

 福岡県八女市で開かれた第77回全国茶品評会(全国茶生産団体連合会など主催)の最終日の25日、審査結果が発表され、静岡県勢は普通煎茶4キロの部で静岡本山茶の小沢晃さん(静岡市葵区)、深蒸し煎茶の部で山東茶業組合(掛川市)が各部門最高位の農林水産大臣賞を獲得した。

大臣賞受賞を喜ぶ山東茶業組合の伊藤智章代表理事(左)ら=25日午後、掛川市東山
大臣賞受賞を喜ぶ山東茶業組合の伊藤智章代表理事(左)ら=25日午後、掛川市東山
大臣賞の受賞を喜ぶ小沢晃さん=25日午後、静岡市葵区有東木
大臣賞の受賞を喜ぶ小沢晃さん=25日午後、静岡市葵区有東木
大臣賞受賞を喜ぶ山東茶業組合の伊藤智章代表理事(左)ら=25日午後、掛川市東山
大臣賞の受賞を喜ぶ小沢晃さん=25日午後、静岡市葵区有東木

 小沢さんは初の受賞、山東茶業組合は2年連続の栄誉に輝いた。県勢の2部門受賞も2年連続となった。冬場の温暖な気候を受けて進んだ生育が、4月以降の冷え込みで一転鈍化し、記録的な減産となった2023年産シーズンだったが、施肥などの対策を徹底した本県生産者の技量が光る結果となった。
 入賞者が多い成績優秀な自治体に贈られる「産地賞」は、普通煎茶4キロの部で川根本町が3年ぶり、深蒸し煎茶の部で掛川市が4年連続でそれぞれ受賞した。普通煎茶4キロと深蒸し煎茶の2部門は、県勢が1等1席から同等3席の入選を独占した。
 17都府県から8部門に計832点が出品された。このうち本県は6部門に計155点を出品し、22日から4日間にわたり審査が行われた。表彰式は10月28日、八女市で開催される「第77回全国お茶まつり」の記念式典で行われる。

 深蒸し煎茶の部 山東茶業組合(掛川市) 「今年も」団結力強め連覇
 世界農業遺産に登録されている「静岡の茶草場農法」を多くの農家が採用する掛川市東山の山東茶業組合は、全国茶品評会で2年連続7回目の農水大臣賞に輝いた。大切にしていることは茶工場の人間関係といい、「今年も大臣賞を取りたい」と共通の目標を持って強めた団結力が連覇を手繰り寄せた。
 受賞の一報を聞き、「ほっとしたよ」と話すのは、同組合の伊藤智章代表理事(55)。「一緒に地域の茶産業を盛り上げよう」と、別の品評会で大臣賞を連続受賞している同地域の茶商と話していたという。
 出品茶は14人の組合員全員の畑から葉を持ち寄って製造し、伊藤代表理事の名前で出品した。今年の茶葉はもんでみるとつぶれやすかったため、工場長がふかし具合などを調整して対応したという。30~40代の若手のもみ手も貢献した。伊藤代表理事は「来年も頑張りたい」と意気込みを語った。  普通煎茶4キロの部 小沢晃さん(静岡市) 初の栄冠 産地に感謝
 「いつかは取りたいと思い続けてきた賞だった」。安倍川のせせらぎが響く静岡市葵区有東木の山あいの茶畑で、小沢晃さん(69)は初の農水大臣賞受賞の喜びをかみしめた。
 茶栽培を始めて約半世紀。林業とワサビ栽培の傍ら、ひたむきに茶と向き合ってきた。「本山茶の歴史と文化を受け継ぎたい」と、手もみ茶の製造にも注力してきた。
 「今回の受賞はこの茶園と出合ったことが大きい」と語る小沢さん。7年ほど前、栽培放棄地となっていた茶園を買い取り、自らが理想とする茶作りを追い求めてきた。
 標高約500メートルの傾斜地に立ち、朝晩の寒暖差と霧が多い環境をどう生かすか。試行錯誤を重ね、茶葉の変化に応じた施肥に自信が付いてきた。小沢さんは「大臣賞が本山茶の活性化の後押しになれば一番うれしい」と未来を見据える。

いい茶0

お茶・茶況の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞