テーマ : お茶・茶況

「茶神888」クラウドファンディングで大変身 300万円超集め「かっこよく」

 静岡県を拠点に茶を広めるため活動を続けるヒーロー「茶神888(さじん・ハチジュウハチヤー)」が進化した。10年以上にわたり全国の茶畑を回って茶の魅力を国内外に発信してきた888。新型コロナウイルス禍でも「人のため、茶のため」と無償で駆け巡ったヒーローの“体”は気付けばボロボロに…。クラウドファンディング(CF)で300人超から集まった支援を元にパワーアップした姿で茶畑を走る。

三保原屋の堀高輔常務に進化した姿を見せる茶神888(右)=静岡市葵区呉服町
三保原屋の堀高輔常務に進化した姿を見せる茶神888(右)=静岡市葵区呉服町

 2009年の活動開始から今年11月で14年目を迎える。コロナ禍の2年間は県内や県外の茶産地を巡り、自身と茶畑を撮影してSNS中心の発信を続けた。茶畑に入るたびに“生傷”が増えた。「茶畑は硬いんです」。メンテナンスを重ねてきた体も限界だった。
 より多くの人たちの心をつかむ姿に進化しようと22年夏、CFを企画。設定した目標金額を達成し、最終的に300人を超える支援者から300万円以上を集めた。茶業関係者のほかに、直接面識のない人たちの支援も多かった。「金額は評価。SNSを続けてきて、良かったと思える瞬間だった」と喜ぶ。
 新しい姿のテーマは「一芯二葉」。顔や背中、右肩から胸にかけてのデザインに一芯二葉の茶葉のモチーフをあしらった。「かなり進化した。かっこいい。お茶のキャラクター感が出ている」と自負する。角度によって色の見え方が変わる「マジョーラカラー」が全身をまとう。「お茶の魅力を『知ってもらう』だけでなく、『買ってもらえる』存在になりたい」
 数年前から静岡市葵区の呉服町商店街で888とイベントを続ける雑貨店「三保原屋」はCFで大口支援した1社。888の胸には同店のロゴが刻まれた。同社の堀高輔常務は「888は商店街を一緒に盛り上げてくれるパートナー。これから、どんな活動を展開するか楽しみ」と期待する。
 全国の生産者らへの聞き取りなど情報収集にも余念がない888。CFで支援してくれた生産者の茶畑などを回るほか、まだあまり縁がない東北や関東への遠征も見据える。「魅力を伝えるにはそれぞれの産地についてまず自分が知らなければいけない。行きたいところはまだまだある」
 (社会部・吉田史弥)

 

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