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発芽玄米販売増加へ 有機栽培に参入 川島米穀店(浜松天竜区)

 浜松市天竜区の川島米穀店が、発芽玄米商品の販売増に向けて有機栽培に乗り出した。農薬・化学肥料不使用の玄米の需要増を見込み、生産面積は5年後に現状の約3倍に当たる10ヘクタールに広げる計画。原料の安定供給体制確立と同時に、水稲段階から成分などの研究を重ねることで製品開発力の拡充につなげる。

有機栽培に取り組んでいる水田。農家から農地を借り受けた=掛川市
有機栽培に取り組んでいる水田。農家から農地を借り受けた=掛川市
無洗米タイプの発芽玄米「玄氣」
無洗米タイプの発芽玄米「玄氣」
有機栽培に取り組んでいる水田。農家から農地を借り受けた=掛川市
無洗米タイプの発芽玄米「玄氣」


供給力向上、研究開発も  同社は1887年創業の老舗米店。健康志向の高まりなどを背景に開発した無洗米タイプの発芽玄米「玄氣」が顧客の支持を得て、インターネット通販で販売を伸ばしている。原料は約15県から年間150トンほど仕入れる。有機栽培のコメの引き合いが全国的に強まる中で原料を確保するため、自社生産に踏み切った。県内の米販売店が新たに有機米栽培を始めるケースは珍しいという。
 事業化に当たり今年、農業法人「玄氣」を立ち上げた。掛川市内の農家から用地約3・7ヘクタールを借り受け、茶工場の跡地を拠点として整えて田植えや収穫作業に臨んだ。川島米穀店の川島正光社長(55)は「改良点を洗い出すことができた。来年を見据えて土作りなど工夫を重ねていく」と話す。
 有機栽培は除草作業が負担となり、慣行栽培と比較して生産量が伸びない傾向にある。同社は水田ごとの水質や気候、土壌の特性などを研究して1ヘクタール当たりの収穫量増加を図る。
 生育段階の稲穂からサンプルを分析し、改良や新製品開発につなげることも可能になるとして、川島社長は「環境負荷軽減と同時に、おいしくて栄養価も高い有機米づくりに向けて知恵を絞っていく」と語る。
 (天竜支局・平野慧)

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