テーマ : お茶・茶況

藤枝市瀬戸谷地区 茶畑の絶景ティーテラス 大自然を全身に 味わい尽くそう藤枝の夏【わたしの街から】

 のどかな田園風景や四季折々に色づく山々が魅力の藤枝市瀬戸谷地区は、子どもから高齢者までが広大な自然を満喫できる土地だ。人口は1955年の約5300人と比較し、6月末時点で1960人と減少は著しいが、8月の行楽シーズンは例年、おれっぷ大久保グラススキー場・キャンプ場や市陶芸センターなどに多くの観光客が訪れる。

ティーテラスから一望できる景色。市之瀬地区の集落が見える=藤枝市瀬戸ノ谷
ティーテラスから一望できる景色。市之瀬地区の集落が見える=藤枝市瀬戸ノ谷
ティーテラスでの会話を楽しむ利用客
ティーテラスでの会話を楽しむ利用客
眺めを楽しむ家族連れ
眺めを楽しむ家族連れ
煎茶や抹茶、茶菓子を味わえる
煎茶や抹茶、茶菓子を味わえる
ティーテラスから一望できる景色。市之瀬地区の集落が見える=藤枝市瀬戸ノ谷
ティーテラスでの会話を楽しむ利用客
眺めを楽しむ家族連れ
煎茶や抹茶、茶菓子を味わえる

 昨年4月、産地である茶を生かした施設が誕生した。標高約450メートルの茶畑に完全予約制の屋外プライベート喫茶空間「ティーテラス市之瀬」。谷筋を渡って吹き上げてくる風、鳥のさえずり、空を見上げるとゆっくり動く雲。自然を全身で感じながら煎茶や抹茶、茶菓子などを味わえる。
 テラスは同市瀬戸ノ谷の製茶会社「市之瀬の里」(勝治義男社長)が運営する。設置の構想は約10年前にさかのぼる。碾茶(てんちゃ)用の手摘みの茶園を見学した多くの取引先の客が、茶畑から見える田舎の景色を気に入り、何度も写真撮影していた。その様子を見るたびに勝治社長は「茶園を使って山の茶のPRに寄与できないか」と考えたのがきっかけだった。
 テラスは約23平方メートルで、部材には県産のヒノキを使用した。山の谷間に位置する市之瀬地区の集落のほか、好天の日は牧之原台地なども望むことができる。
 オープンして1年が経過し、勝治社長は「鳥の声は今まで当たり前だと感じていたが、お客さんから感想を聞いて改めて自然の豊かさや良さを気付かせてくれる」と語る。国内外から利用客が訪れ、年間を通じて、茶園を管理しながらテラスの維持整備にも余念がない。
 茶を含めた農業は価格低迷や肥料高騰、後継者不足で実態は厳しい。それでも「テラスが茶の売り上げに直接結び付くわけではないが、限界集落の活性化に貢献していると思う。山の茶のファンが一人でも多く増えてほしい」と山の魅力を発信し続ける。
4施設で絶品〝かき氷ラリー〟 photo03 せとのやかき氷を堪能する家族連れ=おれっぷ大久保グラススキー場
 藤枝市瀬戸谷地区の農産物を使用した「せとやのかき氷」が、同地区の4施設で販売されている。31日まではスタンプラリーも開催中。全施設で対象商品を食べてスタンプを集めると、瀬戸谷温泉ゆらくで景品と交換できる。
 販売施設は、ゆらくとキッチンせとや、おれっぷ大久保グラススキー場、市陶芸センター。商品は瀬戸谷の活性化を目指す各施設がテーマを設定し、趣向を凝らした商品を夏季限定で売っている。地域代表の逸品を紹介する藤枝セレクション2023に認定された。 photo03 瀬戸谷温泉ゆらく フルーツ果汁かき氷   photo03 おれっぷ大久保 夏のゲレンデかき氷(左) 冬のゲレンデかき氷(右)
 ゆらくはイチゴやブドウ、マンゴーなど4種類のフルーツ果汁かき氷、キッチンせとやは地元産のイチジクとブルーベリーを使った2種類を提供している。おれっぷ大久保は抹茶と小豆を使用した「夏のゲレンデかき氷」、きな粉とミルクに白玉やアーモンドの食感を楽しめる「冬のゲレンデかき氷」を販売。陶芸センターでは植木鉢にかき氷を乗せ瀬戸谷産の抹茶をかけた「牧場かき氷」と、チョコレートソースにミントを添えた「大地」のほか、魚や熊などの顔をかたどった「おまかせ」が人気を集めている。 photo03 陶芸センター 牧場かき氷   photo03 キッチンせとや 藤色ブルーベリーかき氷(左) イチジクかき氷(右)
 4施設でつくる瀬戸谷活性化協議会の小田稔彦会長(67)は「自然を生かした産物を通じて交流し、地元民をはじめ多くの人に瀬戸谷を好きになってもらいたい」と思いを込める。

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