テーマ : お茶・茶況

薬膳茶・ハーブティー開発に力 静岡県内茶業者、訴求力強化へ

 静岡県内で茶に果実や草花、豆類を配合した薬膳茶・ハーブティーの新商品を開発する動きが活発化している。製茶問屋らは緑茶の香りやうまみと、ハーブが持つリラックス効果などを掛け合わせた商品の研究を重ね、急須になじみが薄い顧客層への訴求力強化に結び付けている。

4種類の薬膳茶。鈴和商店が配合を研究して編み出した=静岡市葵区
4種類の薬膳茶。鈴和商店が配合を研究して編み出した=静岡市葵区
鈴木長十商店が発売したハーブティーなどの商品群。多彩な色合いが特徴=森町
鈴木長十商店が発売したハーブティーなどの商品群。多彩な色合いが特徴=森町
4種類の薬膳茶。鈴和商店が配合を研究して編み出した=静岡市葵区
鈴木長十商店が発売したハーブティーなどの商品群。多彩な色合いが特徴=森町

 季節や体調に合ったお茶で体の内側から整える-。鈴和商店(静岡市葵区)は昨年、薬剤師と共同で考案した薬膳茶のシリーズ商品を発売した。
 国産ウーロン茶にハトムギや黒豆を配合した「慈雨(じう)」、ほうじ茶にヨモギやシナモンを加えた「温香(おんこう)」など4種類で、小売店「茶屋すずわ」や各地の雑貨店、セレクトショップなどへ出荷する。女性を中心に香りや効能が評価され、渥美慶祐専務は「ストレス緩和作用があり、個性が際立つ薬膳茶の魅力を発信したい」と話す。
 西洋由来のハーブを用いた商品開発も進む。鈴木長十商店(森町)は7月、22種類にわたるハーブティーやルイボスティーを発売した。緑茶にハイビスカスやバタフライピーを配合し、水色が赤や青などの茶を実現した。ティーバッグ商品で、価格は500円以下に抑えた。
 小国ことまち横丁(同町)の直営店で売り出したところ、多くの家族連れが関心を寄せた。鈴木洋太郎専務は「夏場の観光客需要を見込む。茶と複数のハーブがかもし出す香りや涼やかな色合いを楽しんでほしい」と語る。
 茶の新規需要創出に取り組むAOBEAT(アオビート)=静岡市葵区=は7月、同区静岡浅間通り商店街のティースタンド「アードバークティー Aスタンド」でオーダーメードのハーブティー販売を始めた。顧客は来店時に4種類の茶にショウガやラベンダーなど12種類のハーブやスパイスを配合し、自分好みの商品を作ることができる。
 同店は22年から「ボタニカル(植物由来の)」をテーマにしたテイクアウトのドリンク商品企画を展開しており、2号店開設も視野に入れている。
 (平野慧)

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