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茶産出額首位保つ 静岡県2022年、生葉荒茶とも減

 農林水産省がまとめた2022年の農業産出額統計によると、本県の茶は前年比8・9%減の244億円で、234億円(2・0%減)の鹿児島を僅差で抑えて3年連続で首位を保った。一番茶の摘採期に降雨による摘み遅れが生じた。収穫量が伸びた半面、二番茶も含めて単価は下落し、産出額を押し下げた。

静岡県と鹿児島県の茶産出額と荒茶生産量の推移
静岡県と鹿児島県の茶産出額と荒茶生産量の推移

 茶の産出額は農家が収穫した生葉と、生葉を製品の前段階で加工、乾燥させた荒茶の販売額の合計。本県は生葉が132億円(10・2%減)、荒茶112億円(7・4%減)といずれも減少。2位鹿児島は生葉154億円(1・3%増)、荒茶80億円(8・0%減)だった。
 本県の茶産出額は1992年の862億円をピークに下落が続く。2019年は鹿児島に首位の座を奪われたが、20年産出額で再び返り咲いた。ただ、長引く需要低迷や消費の変化が業界に影を落としている。
 22年の総務省家計調査の「1世帯当たりの緑茶・茶飲料の年間支出金額(2人以上の世帯)」は、緑茶(リーフ茶)が21年比7・5%減の3263円。消費者のリーフ茶離れに歯止めがかからない状況が続く。
 県お茶振興課の佐田康稔課長は「輸出用の抹茶や、ドリンク用の茶葉など、需要の変化に対応できる生産体制の構築が急務」と話す。

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