テーマ : お茶・茶況

静岡茶市場 女性初の仲立人 入社11年目、大川さん 「男性社会」茶業界に新視点

 静岡茶市場(静岡市葵区)で本年度、入社11年目の大川梓さん(28)が女性初の仲立人としてデビューした。長らく「男性社会」とされてきた茶業界で新たな視点を生かし、生産者と製茶問屋をつなぐ役割を果たそうと情熱を注ぐ。

静岡茶市場の仲立人の大川梓さん(左)=静岡市葵区
静岡茶市場の仲立人の大川梓さん(左)=静岡市葵区

 両親が製茶問屋に勤務していたため、子どもの頃から茶は身近な存在だった。2013年の入社以降は、茶の入出荷管理などを担う事務方として働いてきた。
 仲立人はそろばんを片手に茶生産者ら「売り手」と、問屋など「買い手」の間に立ち、価格交渉などを進める。利害が相反する両者の希望に開きがある中で、粘り強く折衝を重ねる難しさを感じると同時に手応えもあったという。「経験を重ね、お茶の価値を見極められるようになりたい」と話す。
 茶市場の内野泰秀社長によると、茶業界は男性社員が大半を占める一方、消費者には女性も多いことから「多様化する価値観の中で、良質なお茶を届けるには、さまざまな物の見方が必要」と大川さん起用の理由を語る。
 4月13日の初取引から約1カ月で県内産一番茶取引は終盤を迎え、5月下旬からは二番茶取引が始まる。大川さんは「茶畑を見て回るなど、勉強を重ねたい」と意気込む。

いい茶0

お茶・茶況の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞