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腸活、何をすれば 「善玉菌」意識し、食事見直し【知って、いかす 健康食品①】

 新型コロナウイルスの流行を経て健康意識が高まる中、食生活を見直している人も多いのでは。自分に適した食品やサプリメントを選び、より健康的に過ごすコツについて、日本臨床栄養協会認定のNR・サプリメントアドバイザーで薬剤師の大石順子さん(掛川市)が紹介します。

大石順子さん
大石順子さん

 腸活とは、腸が本来の機能を発揮するために、腸内細菌の善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)、悪玉菌、日和見菌のバランスを整えることです。善玉菌が30~40%、悪玉菌が10%、日和見菌が50~60%の状態が理想のバランスです。
 腸活はまず、食事の見直しから始めます。善玉菌を含む発酵食品(ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、キムチ、みそなど)と、善玉菌の餌となる食品(海藻類、キノコ類、イモ類、ゴボウ、オリゴ糖など)を日々のメニューに取り入れましょう。加えて3食バランスの良い食事を摂取します。
 朝食を食べる習慣は、朝に腸が動き出す助けになります。潤滑油の働きをして排便を促進するオリーブオイルを使った料理を食べるのも良いでしょう。普段から腸が弱いと感じているのであれば、過敏性腸症候群(IBS)の症状改善にも用いられるペパーミントオイルが入ったお茶(ペパーミントティーなど)を飲む方法もあります。
 善玉菌を市販の整腸薬やサプリメントで補うのもお勧めです。すでに存在する善玉菌の菌数増加を導き、その結果、腸内環境を整えます。整腸薬やサプリメントを選択する時は薬局薬剤師に相談してください。
 ほかには、腸の周りの筋肉を鍛える運動(ウオーキングやエクササイズ)、腸を直接動かすようなマッサージやストレスケア(深呼吸)、生活習慣の改善なども行います。
 腸活をする時は、どんな便が出ているのかを見て効果を確かめてください。あまり臭わない▽黄色から黄褐色である▽硬さが練り歯磨き程度▽いきまずスッキリ出る―という特徴がある便は、腸内環境が整っているとされています。
 腸活の効果は、善玉菌が産み出す酢酸などの短鎖脂肪酸が作用したものと考えられています。短鎖脂肪酸は大腸がぜん動運動をする際のエネルギー源になり、腸内の環境を弱酸性にし、酸が苦手な悪玉菌の過剰な繁殖を抑えます。近年は、免疫力がアップする▽質の良い睡眠ができる▽老化を予防できる▽肥満を予防できる―などの効果も明らかになっています。

 おおいし・よりこ 静岡県薬剤師会医薬品情報管理センター前所長。公認スポーツファーマシストとしても、薬やサプリメントの使い方をアスリートに指導する。アロマテラピーアドバイザーの資格も持つ。

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