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当時の職員に「重過失なし」 賠償審査委が答申 掛川・緑地誤売却問題

 掛川市が行政財産の緑地を市内不動産業者に誤売却した問題で、市が設置した職員賠償責任等審査委員会は28日、売買契約に関わった当時の副市長と総務部長、管財課長について審査した結果を答申した。いずれも土地を行政財産と認識することは困難だったとして、故意に近い重大な注意欠如の状態とされる重過失には当たらないと結論づけた。

久保田崇市長に答申書を渡す中村吉希委員長(右から2人目)=28日午前9時5分ごろ、掛川市役所
久保田崇市長に答申書を渡す中村吉希委員長(右から2人目)=28日午前9時5分ごろ、掛川市役所

 市は同日の市議会全員協議会で内容を報告し、答申を根拠に求償権を行使しない考えを示した。久保田崇市長は「このような事態が二度と発生しない体制づくりに取り組む」と述べた。
 答申では、土地が県の指摘で行政財産と発覚した後の対応について、当時の副市長は各課長に経過報告を求めなかったことなどを理由に、管理監督する義務を怠ったと過失を認めた。当時の管財課長にも報告すべき義務を怠った過失があったとしたが、いずれも対応策が実現不可能と予見するのは難しかったとして「重過失があったとまではいえない」と判断した。
 問題を巡る訴訟で市は、2023年8月9日の二審東京高裁判決を受け入れ、土地の抹消登記手続きを受けるのと引き換えに損害賠償金と土地代など計4500万円を業者に支払った。審査委は中村吉希委員長ら弁護士3人で構成し、23年11月から審査を続けていた。

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