テーマ : 掛川市

記者コラム「清流」 悠久の時を感じる場所

 日本で最初に築造当時の姿に復元された五色塚古墳(神戸市)を見に行ったことがある。墳丘に立って周辺の住宅街と海峡を交互に眺めた。斜面は無数の葺石(ふきいし)で覆われ、堀の芝生も鮮やかだった。
 復元工事を終えた掛川市の吉岡大塚古墳を見学して、古墳の魅力を再確認した。規模は五色塚古墳の3分の1にも満たないが、たたずまいに存在感があり、周囲の茶畑との対比も美しい。連続する人の営みに思いを巡らせた。想像をかき立てる力は五色塚古墳に引けを取らないと思う。
 高天神城など中世以降の歴史資源に恵まれ、関連イベントが多い掛川市。古代の古墳の復元整備完了は、文化財を活用した観光振興の新機軸になる。1500年以上前の古墳の上から星空を眺めたら、どれだけ時間軸が揺らぐだろう。
(掛川支局・高林和徳)

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