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赤色?光る? キノコテーマの本いろいろ 個性的なキャラクターも活躍【親子の本棚 学校司書えりすぐり】

 今月は、秋の味覚の一つでもある「キノコ」がテーマです。いろいろな形や色があり、中には光るキノコもあります。本を読んで、森を探検したいですね。個性的なキャラクターが活躍する物語も紹介します。

「ほしじいたけ ほしばあたけ」
「ほしじいたけ ほしばあたけ」
 なんともいえない枯れた雰囲気の表紙が味わい深く、子どもたちの心をわしづかみにします。きのこむらの元気なキノコたちがにぎやかにくらしていると、タマゴタケが、がけに落ちてしまいました。ほしじいたけが、ひらりと助けにとびおりますが、ケガをしたタマゴタケをおぶってガケをのぼるのはむずかしそうです。
 さて、ほしじいたけはどうするのでしょうか。長持ちしないほしじいたけの力にドキドキしたところで、もちろん、ほしばあたけも大かつやくです。どうして2人がこんなに力持ちなのかを説明しながら、栄養教諭にぜひ読みきかせしていただきたいです。
 (柴田佳代子)

「トガリ山のぼうけん③ 月夜のキノコ」 
「月夜のキノコ」 世界最小の哺乳類と言われるトガリネズミのトガリィじいさんが、テントウムシのテントとともに、トガリ山のてっぺんに着くまでの冒険を孫たちに語るお話です。身の危険を感じ、ハラハラドキドキしたり、登場人物の言葉に優しさを感じたりしながら、読み進めることができます。
 今回、登場するのは、森のキノコたちです。声の美しいハリタケ、むやみに笑うワライダケ、まっかなタマゴダケ、ほかにも、ホコリタケ、オニイグチ、ヌメイグチ…。「テンヘロン、カエルロン」と、みんな行列になってどこへ行くのでしょう。物語だけでなく、いわむらかずおさんが描く神秘的な森の風景も楽しめます。
 (平井幸子)

「不思議で怪しいきのこのはなし」 
「不思議で怪しいきのこのはなし」 この本の表紙では、個性的でユーモラスなたくさんのキノコのイラストが目をひきます。ページをめくると104種類のキノコの特徴と、学名・分類・分布場所・発生時期が写真とそっくりなイラストとともに紹介されています。
 キノコは、生き物の分類では菌類になること、食べられるキノコによく似た毒キノコ、食卓を彩るキノコの工場での生産方法などをキノコ博士が教えてくれるコーナーや、それぞれの季節にあった旬の食材とキノコのレシピものっています。深まりゆく秋の森でキノコを探して観察したり、親子でキノコ料理を作ったりすることに役立つ一冊です。
 (浅井咲子)

「光るキノコと夜の森」 
「光るキノコと夜の森」 日本の主な発生地を巡りながら、光るキノコがカラー写真で紹介されています。発光キノコは食べられるのか? 海外で生息するものとの違いや発光色の違いはあるのか? 昼間とは違う姿を見せてくれる夜の発光キノコの姿に魅了されます。
 その発光のメカニズムに関する研究成果を残しているのが物理学者ロバート・ボイル。「昆虫記」で有名なジャン=アンリ・ファーブルや粘菌の研究で有名な南方熊楠も登場します。しかし発光メカニズムの研究は途上だそう。植物・物理・生物などさまざまな視点が絡み合う一冊となっています。
 (伊藤愛)

 取り上げた本
 ・「ほしじいたけ ほしばあたけ」(石川基子作、講談社、1430円)
 ・「トガリ山のぼうけん③ 月夜のキノコ」(いわむらかずお作、理論社、1980円)
 ・「不思議で怪しいきのこのはなし」(ホクトきのこ総合研究所監修、清水書院、1650円)
 ・「光るキノコと夜の森」(西野嘉憲写真、大場裕一解説、岩波書店※手に入りにくいため図書館利用を)

 <掛川市内の学校司書が担当しました>

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