テーマ : 新型コロナ・全国

8月の訪日客215万人 コロナ前の85%まで回復

 政府観光局が20日発表した推計によると、8月の訪日客は215万6900人だった。2019年同月比で85・6%の水準まで回復。新型コロナウイルス禍後、8割を超えたのは初めて。中国は36万4100人で7月より約5万人多く、個人旅行客の増加傾向が続いている。

訪日客数の推移
訪日客数の推移

 中国政府は8月10日、日本行きの団体旅行を解禁。観光庁は、10月1日の国慶節(建国記念日)に合わせた中国での大型連休から解禁効果が本格的に表れるとみている。ただ東京電力福島第1原発の処理水海洋放出の開始後、訪日旅行の一部にキャンセルが出ており、影響を調べている。
 主な国・地域別に見ると、最多は韓国の56万9100人(19年8月比84・3%増)。台湾39万6300人(5・7%減)、中国36万4100人(63・6%減)と続く。
 総数は7月の232万600人から減ったが、政府観光局は「もともと7月がピークで8月に落ちる傾向」とし、総じて堅調との認識を示した。国際航空路線の回復が主たる要因だとしている。
 今後の中国人客の動向に関しては、航空会社関係者は「(処理水放出後も)国慶節の動向に大きな変化はなく高い予約率を保っている」と話す。観光コンサルタント近藤剛氏も訪日旅行への関心は依然高く「来年2月の春節(旧正月)にはコロナ禍前の水準に戻る可能性が高い」と予測する。
 日本の観光関係者からは中国人客は今後増えるとの見方が強まっているが、外交関係次第では増加傾向が鈍るリスクも否めず、観光庁は注視している。

新型コロナ・全国の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞