テーマ : 新型コロナ・全国

ブータン、親インド継続 総選挙で元首相返り咲き

 【ティンプー共同】ヒマラヤの王国ブータンで9日に行われた国民議会(下院、47議席)総選挙で、2013~18年に首相を務めた国民民主党のツェリン・トブゲイ党首(58)が首相に返り咲くことが10日、確実となった。ブータンは中国と国境係争地を抱え、経済や軍事面の後ろ盾としてインドと緊密な関係を保っており、トブゲイ氏はインドとの協力関係を重視する方針を示している。

インタビューに応じるブータン国民民主党のツェリン・トブゲイ党首=6日、ティンプー(共同)
インタビューに応じるブータン国民民主党のツェリン・トブゲイ党首=6日、ティンプー(共同)

 選管によると、国民民主党は30議席、新党の縁起党が17議席を確保した。与党だった協同党は昨年11月の予備選で敗れ、本選に進出できなかった。
 トブゲイ氏は総選挙前の今月6日に首都ティンプーで共同通信の取材に応じ、親インド外交を継続し「さらに関係を発展させていきたい」と述べた。日本については「ブータン発展の歩みの中で、最も関係が長い友人だ」と強調。良好な外交関係のみにとどまらず「両国の人的交流を一層深めたい」と語った。都市開発分野への日本の支援にも期待を示した。
 総選挙では新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた経済の立て直しが最大の争点となった。雇用不足の解消に向け、これまで慎重だった海外直接投資の受け入れを積極的に行いたいとの考えを示した。豊富な水力発電を生かし、電力を多く必要とする産業を育成することも重要だと訴えた。

新型コロナ・全国の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞