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奈良のシカ、「おじぎ」回数減少 コロナ禍で人との交流減る

 奈良公園のシカが餌をもらう時に見せる「おじぎ行動」の回数が新型コロナウイルス禍では減少したと、奈良女子大を中心としたチームが21日までに発表した。チームはコロナ禍で人との交流が減ったことが背景にあるとみている。

餌をもらう時におじぎする奈良公園のシカ=20日
餌をもらう時におじぎする奈良公園のシカ=20日

 おじぎ行動は奈良公園のシカ特有の行動で、人とのコミュニケーションの手段として発達したと考えられている。
 チームは、観光客が減少した2020年6月から1年間、奈良公園周辺でシカを観察。「鹿せんべい」をシカに見せている間のおじぎ行動の回数は1頭当たり平均6・4回で、コロナ禍前の10・2回から減少した。
 コロナ禍では行動制限の影響などで公園を利用する観光客が減少。チームは原因について「おじぎをしても報酬である鹿せんべいをもらえず、意味がないと感じたのかもしれない」と分析した。
 現在は外国からの観光客数も回復傾向で、おじぎ行動もコロナ禍前の水準に戻りつつあるという。研究に参加した奈良女子大大学院博士課程の上原春香さんは「今後も野生動物が人から受ける影響を調べ、どう動物と付き合っていくべきか研究を深めたい」と話した。

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