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タクシー、14%が従業員半減 コロナ禍で離職者戻らず

 国内でタクシーやハイヤー事業を展開する事業者のうち、この10年でドライバーなどの従業員が半数以下に減少した会社が14・5%に達していたことが24日、帝国データバンクの調査で分かった。タクシー業界では新型コロナウイルス禍で需要が低迷した際に離職者が相次ぎ、多くが戻っていない。政府は運転手不足を解消するため、自家用車で客を有償で運ぶ「ライドシェア」の議論を本格化させている。

タクシー運転手として働く男性=4月、横浜市内
タクシー運転手として働く男性=4月、横浜市内

 調査は10月に国内のタクシー・ハイヤー事業者2428社を対象に実施した。このうち10年前の2013年より従業員が減ったのは1691社(69・7%)だった。減少率が5割以上だった事業者は352社に上った。
 従業員が半減した事業者を都道府県別にみると、茨城が最も高く29・2%だった。香川が29・0%、奈良が25・0%と続いた。
 タクシー会社1社当たりの従業員数は13年には平均66人だったが、23年8月時点では52人まで減っていた。特にコロナ禍の20~22年にかけ、前年比の減少率が拡大していた。事業者からは収入減などのマイナスイメージが定着し「若手(新人)の応募が来ない」という声が多かったという。
 業界団体の全国ハイヤー・タクシー連合会の調査でも、全国60地域での法人タクシー乗務員数は23年6月末で23万2902人となり、19年3月末の29万1516人から6万人近く減った。
 帝国データバンクの担当者は「地方だけでなく都市部でも保有するタクシーの稼働率が低下し、経営を圧迫している」と分析している。

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