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コロナ対応でうつ病、労災 介護施設職員、遺体を搬送

 兵庫県宝塚市の介護老人保健施設に勤務する60代女性が、新型コロナウイルス患者の介護や遺体搬送に従事したストレスなどでうつ病を発症したとして、西宮労働基準監督署(兵庫県西宮市)が労災認定していたことが18日、代理人弁護士への取材で分かった。弁護士は「コロナ対応のストレスが理由となる労災認定は珍しい」としている。

厚生労働省
厚生労働省

 弁護士や関連資料によると、女性は事務職員だったが2021年4月ごろ、認知症病棟で入所者36人と職員17人が感染する大規模なクラスターが発生。事務業務に加え、同病棟で入所者のおむつ交換などの介護や、透明の袋で包まれて顔が見える遺体を運ぶ業務に従事した。
 女性は同5月に事務職に戻ったが、遺体の光景がフラッシュバックし、食欲不振や不眠などの症状が出て休職。6月にうつ病と診断され、現在も休職している。
 労基署は今年5月、女性は感染の恐怖を感じながら介護業務に従事し、遺体の顔が見える状態での搬送作業は心理的な負荷が大きかったとして労災と認定。未経験のクラスター対応業務などによる時間外労働の増加も考慮した。
 施設の運営法人は「コメントは差し控える」としている。

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