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カリコ氏に生理学・医学賞 ストックホルムで授賞式

 ノーベル賞の自然科学系3部門の授賞式が現地時間の10日夕(日本時間11日未明)、ストックホルムで開かれた。「メッセンジャーRNA(mRNA)」と呼ばれる遺伝物質を使った新型コロナウイルスワクチン開発に道を開き、生理学・医学賞に決まった米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64)にメダルと賞状が授与された。

ノーベル生理学・医学賞を受賞するカタリン・カリコ氏(左)=10日、ストックホルム(ゲッティ=共同)
ノーベル生理学・医学賞を受賞するカタリン・カリコ氏(左)=10日、ストックホルム(ゲッティ=共同)

 mRNAは細胞内でタンパク質を作る設計図となる物質。ワクチンに応用するには、体内で分解されやすいほか、異物とみなされて炎症などの強い免疫反応を引き起こす問題があった。カリコ氏らは、mRNAの構成物質の一部を別の物質に置き換えると炎症反応が抑えられることを発見。ワクチンの効果を高める研究にも尽力した。
 授賞式に先立ち、スウェーデンのカロリンスカ研究所で講演したカリコ氏は、さまざまな感染症や、がんに対するmRNAを使ったワクチンの臨床試験が世界で約250件進んでいると紹介。「この仕事に参加できたことを非常にうれしく思う」と述べた。
 物理学賞は、ごく一瞬だけ光るレーザーで物質中の電子の動きを追う手法を開発した欧米の3氏が、化学賞は「量子ドット」という微小な粒子を合成した米国の3氏が、それぞれ受賞した。

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