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恒例行事うちわまき、雨で手渡し 奈良市の唐招提寺

 奈良市の唐招提寺で19日、恒例行事の「うちわまき」で知られる「梵網会」が行われた。うちわまきは新型コロナウイルス対策として関係者のみでの実施が続き、今年は4年ぶりに一般参拝者約100人に参加してもらう予定だった。だが雨で中止となり、代わりに僧侶がうちわを1人ずつ手渡した。

奈良市の唐招提寺で、うちわを手渡す僧侶=19日午後
奈良市の唐招提寺で、うちわを手渡す僧侶=19日午後

 ハート形のうちわは「宝扇」と呼ばれ、僧侶や寺の職員の手作り。虫よけの呪文が梵字で書かれており、魔よけや厄よけの御利益があるという。
 定年退職を機に趣味の寺巡りをしている奈良市の舟岡孝子さん(60)は、過去にうちわまきに参加したものの、授かることができたのは地面に落ちていて破れたうちわだったという。「今回はきれいなものをもらえた」と上機嫌だった。
 うちわまきは約770年の歴史があると言われ、寺を復興した鎌倉時代の高僧・覚盛上人の命日に行われてきた。蚊をたたこうとした弟子の無駄な殺生を戒めた逸話から、死後は蚊を追い払えるようにと、上人の仏前にうちわを供えたことが由来とされる。

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