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主要駅、半数超で人出回復 お盆休み、全都道府県で調査

 お盆休み期間の11~16日の人出は、全都道府県の主要47駅の57%に当たる27駅で新型コロナウイルス流行前の2019年を上回ったことが18日、分かった。東北や四国、九州などの地方都市を中心に人の流れの回復ぶりが明確になった。関西地方は台風接近が響き、減少が目立った。

お盆休みのUターンラッシュが始まり、混雑するJR東京駅の新幹線ホーム=13日
お盆休みのUターンラッシュが始まり、混雑するJR東京駅の新幹線ホーム=13日

 IT企業クロスロケーションズ(東京)がスマートフォンの位置情報から推計した駅周辺の半径500メートルの来訪数データ速報値を分析した。同社の担当者は「今年のお盆は新型コロナの影響が和らぎ、旅行などの移動が活発になった」と指摘した。
 全都道府県から主要駅を一つ選び、19年の人出と比べると、1位は宮崎駅で35・2%伸びた。宮崎市によると、駅前の広場や商業施設の再開発で基盤が整い、多くの人が集まった。2位は熊本駅が入り、28・0%増えた。3位は松山駅の18・1%増だった。
 ただ京都駅など関西の駅は落ち込みが大きく、台風7号が上陸した15日に人出が急減した。新幹線などの交通機関が運休したほか、駅周辺の商業施設の休業が相次いだ。
 19年比で人出が最も減ったのは東京・新宿駅で17・5%減だった。横浜駅が15・3%減と続いた。在宅勤務の普及を背景に首都圏の主要駅は人の流れの縮小が常態化しており、お盆期間も同様の傾向が見られた。
 47駅合計の人出の1日平均は821万人で、19年の867万人には届かなかった。利用人数の多い新宿駅などでの減り幅が大きく、全体を押し下げた。
 新型コロナ流行後に初めて行動制限がなくなった22年のお盆期間との比較では、1位が秋田駅で13・7%増だった。2~5位は福島、盛岡、青森、宇都宮の各駅で、東北・北関東が独占した。台風7号の進路から外れ、人が集まる上での支障が少なかった。


 台風と人出
 台風が近づくと行楽や買い物目的での外出が控えられ、新型コロナウイルス流行時よりも繁華街の人出は減ることがある。鉄道会社が運休するケースがあることも人の流れの減少をもたらす。クロスロケーションズによると、全国に甚大な被害を与えた2019年秋の台風19号上陸時に、東京・新宿駅では緊急事態宣言下の20年春よりも人出が少なくなった。

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