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地銀、過半37社が増益や黒字 4~12月期、外債損失の反動

 東京証券取引所などに上場する地方銀行・グループ73社の2023年4~12月期決算が13日、出そろった。過半の37社が前年同期から増益となり、1社が黒字転換した。前年に米国の急速な利上げに伴う外国債券の売却損を計上した反動が出た。約6割が減益だった9月中間決算から一転、業績が改善した。

上場地銀73社の23年4~12月期決算
上場地銀73社の23年4~12月期決算

 ただ足元では企業倒産が前年同月を上回る水準で推移し、地銀の経営環境は楽観視を許さない。原材料高騰や、新型コロナウイルス対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化が背景で、金融機関の資産運用を支援する日本資産運用基盤グループ(東京)によると、取引先の貸し倒れに備える与信関係費用が増えている。
 73社の純利益は計8386億円で、前年同期比では6・0%減だった。あいちフィナンシャルグループが、傘下の愛知銀行(名古屋市)と中京銀行(同)の経営統合に伴う特別利益800億円超を前年に計上したことが全体を引き下げた。
 広島銀行(広島市)を中核とするひろぎんホールディングスは64・5%増の233億円、京都銀行(京都市)の京都フィナンシャルグループは22・0%増の315億円となった。両社は前年の外債処理の反動に加え、保有株式の売却益を計上して大幅に改善した。仙台銀行(仙台市)ときらやか銀行(山形市)で構成する、じもとホールディングスは黒字転換した。
 35社は減益だった。岩手銀行(盛岡市)は株式の売却益が減少し、35・1%減となった。西日本シティ銀行(福岡市)と長崎銀行(長崎市)を傘下に置く西日本フィナンシャルホールディングスは23・1%減だった。赤字の地銀はなかった。

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