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米NIH、コロナ後遺症治療試験 2千万人影響、対策室設置

 【ワシントン共同】米国立衛生研究所(NIH)は7月31日、新型コロナウイルス感染症の後遺症治療に向けた臨床試験を始めたと発表した。200種類以上の症状が知られており、代表的なものをグループ分けして試験を順次立ち上げる。それぞれの試験の中でも同時に複数の治療法を評価することで、最も安全で効果の高いものを速やかに選び出す計画だ。
 厚生省は同日、コロナ後遺症対策調整室の設置を発表した。米国内で最大2300万人が経験したとの推定もある大規模な健康課題に対し、取り組みを強化する。
 NIHの試験は、11億5千万ドル(約1635億円)を投じて後遺症の仕組みの理解や予防、治療を目指す「RECOVER計画」の一環。まず二つの試験が始まった。
 体内から排除しきれなかったウイルスが引き起こす免疫異常や臓器損傷に対しては、本来なら感染初期に使う抗ウイルス薬の長期投与を試みる。
 頭にもやがかかったようになり思考力が落ちる「ブレインフォグ」や記憶障害などには、オンラインの脳トレや頭蓋骨の外側から脳に弱い電気刺激を加える方法を使う。
 今後始まる試験が標的とする症状には(1)日中の眠気や夜眠れないといった睡眠障害(2)心拍の異常や目まいなど自律神経の障害(3)疲れやすさや倦怠感―が含まれている。

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