テーマ : 新型コロナ・全国

男子のうつ、コロナで顕著 部活制限、相談しにくさも

 国立国際医療研究センターなどのチームは8日までに、新型コロナウイルスの流行下では、流行前と比べて、男子高生のうつ傾向が強まったとの研究成果をまとめた。チームは男子では女子よりも部活動などの制限の影響が大きかったほか、悩みがあっても助けを求めにくかった可能性があるとしている。

国立国際医療研究センター=東京都新宿区
国立国際医療研究センター=東京都新宿区

 チームは2019年2月から21年9月に、都内とその周辺に住む16~18歳の男女約2千人に調査を実施。直近2週間のうつ症状を13項目で尋ね、うつ状態かどうかを点数化して調べた。
 新型コロナ流行前の19年2月~20年2月に調査したグループと、流行後の20年3月~21年9月のグループを比較。その結果、流行後のグループは男子の平均点が0・97点高くなり、状態が悪化していることが分かった。流行後を時期ごとに調べると、時間の経過とともにより悪化していた。
 女子の平均点は男子よりも高かったが、新型コロナ流行による目立った影響はなかった。
 チームによると、男子は部活や課外活動で一緒になった相手と人間関係を築く傾向が強く、活動制限の長期化が悪影響を及ぼした恐れがある。「男らしさ」をよしとする社会の風潮も助けを求めにくくした可能性があるという。
 同センターの細沢麻里子主任研究員(小児思春期保健学)は「日頃からスクールカウンセラーと生徒が話す機会をつくるなど、男女とも支援を求めやすい環境が必要だ」とする。

新型コロナ・全国の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞