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中国、IT大手4社が増収増益 4~6月期、先行きには課題

 【北京共同】中国のIT大手4社の2023年4~6月期決算が25日までに出そろい、全社が前年同期比で増収増益となった。前年同期は新型コロナウイルス対策で上海がロックダウン(都市封鎖)された反動で伸びた。ただ中国経済は不動産を中心に減速しており、通年での好調維持には4社とも課題が多そうだ。

中国大手IT企業の23年4~6月期業績
中国大手IT企業の23年4~6月期業績

 電子商取引(EC)の京東集団(JDドット・コム)は売上高が前年同期比8%増の2879億元(約5兆8千億円)、純利益が50%増の65億元だった。前年は物流網が寸断され苦戦したが、復調した。
 競合するECアリババグループも売上高が14%増の2341億元、純利益は51%増の343億元と伸びた。だが足元では住宅市場の低迷を背景に人々が消費を控える傾向が鮮明で、先行き不透明感が強まっている。
 ゲームや通信アプリの微信(ウィーチャット)を手がける騰訊控股(テンセント)は売上高が11%増の1492億元、純利益は41%増の261億元だった。一方、今月に不動産大手「碧桂園」などの経営不振が伝わると、あおりを受けて香港市場でテンセントやアリババの株価も下落。不動産不況がIT業界にも影を落とし始めた。
 インターネット検索の百度(バイドゥ)は売上高が15%増の340億元、純利益は43%増の52億元だった。開発した生成人工知能(AI)の「文心一言」を今後の「成長エンジン」(李彦宏会長)にする方針だが、生成AIをはじめIT分野には半導体が欠かせない。日米の半導体輸出規制が強化されており、大きな懸念材料となっている。

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